Research Abstract |
咬合様式の違いによる義歯床への影響を検索するため下顎義歯床の歪みを測定するには、床の形態,床の厚さ等の条件を被験義歯間において一定にすることが難しかったため、レデュースドオクルージョン,リンガライズドオクルージョン,フルバランスドオクルージョンの咬合を付与するために用いられるコンデュロフォーム,リンガライズド人工歯,リブデントFB20の各種人工歯における上下右側第一大臼歯を用いて、疑似モデルを作製して応力分析を行った。 上顎人工歯は定荷重圧縮試験器に、下顎人工歯はアクリル板にそれぞれ即時重合レジンにて取り付けた。アクリル板の頬舌側相当部には歪みゲージを取り付け、上顎人工歯を2Kgの荷重で高さ3cmから落下させたときのアクリル板に及ぼす応力を繰り返し3回にて測定した。上下人工歯が嵌合した状態を基準として、咬合面に疑似食品としてオクル-ザルインディケ-ティングワックス1枚を介在させ3種類の咬合様式について歪みを測定した。 疑似モデルのアクリル板に及ぼす影響は、義歯床にも同様に加わるものと考えられる。また、その違いによって義歯の有用性の評価につながる1要因となる。各種咬合様式における歪み量は、フルバランスドオクルージョンが最も大きく、ついで、リンガライズドオクルージョン、レデュースドオクルージョンの順となった。疑似食品としてワックスのみを用いたため、食品のもつ種々の性質は網羅できていないと思われ、この面から明らかでない部分もあると考えられるが、3種類の咬合様式で義歯床に及ぼす影響はレデュースドオクルージョンが最も小さいと推察される。
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