個別的知識の運用から数学的能力への発展を支援する帰納的指導モデルの開発と評価
Project/Area Number |
05780150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10219321)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 数学教育 / 数学的能力 / 数学的運用 / 高次思考能力 / 認知科学 / 初等代数 / 理解モデル |
Research Abstract |
1.「数学的運用」と「数学的能力」に基づく課題分析 数学的運用とは「知識の使い方」を意味しており,数学的能力とは形式的な操作を意味している。この2種類の区分に基づき,次の領域に対して課題分析を行った。(1)文字式による論証課題,(2)方程式の立式課題,(3)パターンファインディング課題。 2.数学的運用・能力に関する生徒の理解特性の分析 課題分析を行った3種類の課題を使って,生徒の数学的運用・能力に関する実証的研究を行った。その結果,(1)学校での学習以前でも,数学的運用に関しては高い正反応率を示すこと,(2)問題解決過程においてポイントとなる運用(例えば相等関係を導出する)は,半数以上の生徒が達成しているが,文字式表現するという形式的な操作に困難を示していること,(3)より高次の運用が要求される課題においては,単純な方略(帰納的に解を導出する)を使用する傾向があること,が明らかになった。これらは,今後の授業・カリキュラム設計に対して具体的な提案となる結果である。 3.教材のデータベース化と帰納的指導モデルの設計・開発 教科書の問題をデータベースとして蓄積し,(1)個々の事例からの次系列の推測,(2)系列に含まれる一般規則の導出,(3)導出された一般規則の文字式表現,という3段階の帰納的な指導を行うモデルを設計した。現在の機能でも当初の研究計画に沿ったシステムを実現できているが,寄り高次のシステム開発のためには,詳細な数学的運用と数学的能力の記述,自動的に問題文を変換するための処理(自然言語処理機構)が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)