インターロイキン1beta遺伝子上流の電離放射線応答モチーフ構造の検索
Project/Area Number |
05780400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
石原 弘 放射線医学総合研究所, 薬理化学研究部, 主任研究官 (60193348)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 放射線応答 / 遺伝子発現 / 転写調節 / インターロイキン-1beta / マウス白血病細胞 |
Research Abstract |
強力なラジオプロテクターであるインターロイキン(IL)-1betaの遺伝子近傍領域には、造血系細胞特異的な電離放射線に対する急性応答モチーフ構造の存在することを筆者らは示唆してきた。マウスIL-1beta遺伝子領域の標記構造同定を目的として、本研究計画では第一にアッセイ法確立、第二にモチーフ構造同定を試みた。 当該目的のためのアッセイ法を確立するためには、まず放射線応答能の高い造血系ライン化細胞を決定し、これを用いてCATアッセイおよび核抽出物調製の条件検討を行う必要がある。まず6種類のライン化細胞の検討の結果、電離放射線照射がホルボルエステル等の刺激より優位なIL-1beta遺伝子発現誘導が見られたマウス骨髄性白血病細胞ラインであるL-8704細胞を選択した。また、この細胞における外来遺伝子導入効率はリポソーム法が適していた。この系を利用して、血液細胞特異的な放射線に対する急性応答モチーフを検索するために、まずCATレポーターアッセイのためにマウスIL-1beta遺伝子の転写開始点の上流200から8000塩基を連結した8種類のプラスミドを構築し、L-8704細胞にトランジェントおよび安定導入して分析を行った。トランジェント導入では非誘導発現の寄与が大きく、誘導領域を限定できなかったが、安定導入の結果約6000から4000塩基上流に弱い発現誘導領域の存在することが示唆された。そこでこの領域の制限断片混合物についてL-8704細胞の核抽出物でゲル電気泳動移動度シフト法を行ったところ、蛋白質結合領域が少なくとも20か所以上見出だされた。 本研究により造血細胞に特異的な電離放射線に対する急性応答モチーフの検索法を確立し、その存在領域および多数のモチーフ構造による複雑な調節が示されたので、今後の課題である塩基配列レベルでのモチーフ決定のための足掛かりとすることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)