真核生物のタンパク質伸長機構の新たなモデルの構築-酵母のタンパク質伸長因子EF-3のATP水解機構と伸長反応との共役の研究-
Project/Area Number |
05780456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
瓜谷 真裕 静岡大学, 理学部, 助手 (40193974)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 真核生物 / タンパク質合成 / 伸長機構 / ATPase / リボソーム / ポリアミノ酸 |
Research Abstract |
EF-3のATP水解機構:EF-3のATPaseは、共通のATP結合配列を持つ点、バナジン酸で阻害される点で、Na^+-K^+ATPaseなど酵素-リン酸中間体をとるものと似ている。そこで、EF-3が実際にATPを水解する条件下で、EF-3-リン酸複合体が生成するかどうか調べた。純化したEF-3を〔gamma-^<32>P〕ATPと保温した後、SDS-PAGEにかけ、オートラジオグラフィーで調べたところ、EF-3にリン酸のラベルが移っていることが分かった。反応系にはProtein Kinaseは添加していないため、これはEF-3自身による自己リン酸化である。 次に、このリン酸化がATP水解の際のEF-3-リン酸中間体であるかどうかを確かめるため、ATPaseの阻害剤であるバナジン酸とヌクレオシド三リン酸の影響を調べた。その結果、これらはEF-3の自己リン酸化を阻害することが分かった。これらの結果から、EF-3がATPを水解する際には、EF-3リン酸中間体をとることがわかった。 EF-3とリボソームとの相互作用:125I-EF-3をリボソームと保温後、超遠心で沈殿したリボソーム上のカウント測定からEF-3の結合活性を測る系を作った。この系で調べたところ、結合は、MgCl_2の濃度増加とともに低下した。従って、両者の結合にはリボソームのサブユニットが適度に結合した状態が必要であると考えられる。ATPはこの結合に影響を与えなかったので、ATPase活性とリボソームへの結合とは無関係であると思われる。また、リボソームとの相互作用にはEF-3のC端に存在する、Lysine clusterを含む塩基性の領域が必要である。そこで、この領域と類似する、poly-L-(Lys)とpoly-L-(Arg)、あるいはこれと相互作用すると思われる、poly-L-(Asp)とpoly-L-(Glu)の影響を調べたところ、4つともEF-3とリボソームの結合を阻害した。このことから、EF-3とリボソームとの結合には静電気力が働いていることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)