受容体から核内の転写因子CREBに至るcAMPシグナルトランスダクションの研究
Project/Area Number |
05780528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
萩原 正敏 名古屋大学, 医学部, 講師 (10208423)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | cAMP / Aキナーゼ / CREB |
Research Abstract |
「cAMPシグナルはどのようにして核内へ伝えられるのか?」 cAMPによる転写制御はcAMP上昇→Aキナーゼ活性化→CREBのSer133リン酸化による転写活性化という道筋を辿ることが判明した。ただし、この細胞内情報伝達のシナリオには、大きな疑問が残っている。 すなわち、cAMPは細胞膜上のアデニレートシクラーゼによって合成され、cAMPシグナルは細胞膜から核内までの空間的乖離を越えて伝達される必要があるが、その経路はどうなっているのであろうか。理論的には、3つのモデルが考えられる。すなわち、(I)cAMPが拡散し核内でAキナーゼを活性化する;(II)細胞質内で活性化されたAキナーゼが核内へ移行する;(III)細胞質内でリン酸化されたCREBが核内へ移行する。CREB抗体を使って免疫染色やウエスタンブロットを行った結果、CREBは、cAMP濃度と無関係に核内に局在することが判明し、モデル(III)は否定された。cAMPのような低分子物質は核膜孔を自由に通過できるのでモデル(I)は論理的には不可能ではない。またAキナーゼには概知の核移行シグナル(NLS)は認められず、モデル(II)は成立しないかと思われた。結局、UCSDのTsien博士らとの共同研究により、Aキナーゼの活性化(すなわちcAMPの調節サブユニットへの結合)が細胞質内で起こり、乖離した触媒サブユニットだけが、核内へ移行して行くことが判明した。このAキナーゼの核内移行の時間軸は、CREBのSer133のリン酸化の時間軸とピタリと符号しており、モデル(II)を強く指示する結果となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)