アルツハイマー病脳に蓄積するPHFにおけるユビキチン結合タンパク質の同定
Project/Area Number |
05780576
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森島 真帆 東京大学, 医学部, 助手 (50204722)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / PHF / ユビキチン |
Research Abstract |
アルツハイマー病脳に蓄積するPHFはその構成成分としてタウとユビキチンが同定されている。本研究ではPHF蓄積におけるユビキチン化の意味を知るために、PHF内のユビキチンの標的タンパク質を検索しタンパク化学的に同定した。 アルツハイマー病脳のサルコシル不溶性画分を塩酸グアニジンで可溶化し、TSK-G3000によるゲル濾過法で分画した後、セミマイクロボア逆相HPLCを用いて抗ユビキチン抗体で反応するPHF(SDS-PAGEでスメアを呈するのでPHF-スメアと呼ぶ)を精製した。次に精製したPHF-スメアとPHFタウ、ユビキチンをそれぞれAchromobacter lyticus proteaselで消化し、逆相HPLCで展開してペプチドマップを作製し、比較検討を行った。PHF-スメアのペプチドマップは基本的にPHFタウのペプチドマップとユビキチンのマップを合わせたものに類似していた。しかしながら幾つか異なる特徴がみられたので、PHF-スメアに特異的なピークを中心に全ピークを質量分析及びアミノ酸配列分析により解析した。その結果、PHF内ではユビキチンがタウに結合していること、その結合部位はタウの微小管結合領域に少なくとも4ヶ所存在することが明らかになった。PHF内にはモノユビキチンとマルチユビキチン鎖の両方が存在しており、分解の強力なシグナルと考えられているマルチユビキチン鎖の占める割合が少ないこともわかった。さらにPHF-スメア内のタウはN末端部分が欠如して少なくなっていることから、PHF内のユビキチンはN末端部分がprocessingを受けたタウに結合していることが示された。 これらの結果は、アルツハイマー病のみに限らず種々の変性疾患で見られる細胞内封入体におけるそのユビキチン化の解析、蓄積の機構を知るうえで重要な示唆を与えるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
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