Project/Area Number |
05780601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
坪川 宏 自治医科大学, 医学部, 助手 (30227467)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 海馬 / スライスパッチクランプ / 虚血性神経細胞死 / グルタミン酸受容体 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
本年度は以下の2項目について研究を行い、成果を発表した。 1.虚血負荷後の海馬CA1錘体細胞で記録される興奮性シナプス後電流(EPSC)の特性について 虚血後のスナネズミ海馬スライス標本を用いてCAI錘体細胞よりホールセル記録を行い、EPSCのカイネティクスや構成電流成分について健常細胞と比較し定量的に解析した。その結果虚血負荷後の錘体細胞では時間経過の長いEPSCが記録され、その成分の主体はグルタミン酸受容体サブタイプの内の非NMDA型受容体を介する電流であることが解った。そらにその時間経過は細胞外液のCa^<2+>濃度を下げると減少することから、虚血後の細胞では非NMDA型受容体の活性化が細胞外からの異常なCa^<2+>流入を促している可能性が示唆された。 2.虚血性遅発性神経細胞死へのイノシトールリン脂質代謝系の関与について ホールセル記録法の利点を生かし、虚血後のスナネズミ海馬スライス標本を用いて細胞内に種々の高分子物質を注入し膜電流の変化を解析した。フォスファチジルイノトシール2リン酸に対する抗体を注入したところ、虚血負荷後の細胞に特徴的な興奮性入力による不可逆的な脱分極を防ぐことが出来た。同様の方法で細胞内ヘイノシトール4リン酸を注入すると脱分極反応は促進され、イノシトール3リン酸から4リン酸への反応を触媒する酸素に対する抗体を注入すると脱分極は起こらなかった。以上の結果から細胞死の過程でイノシトール4リン酸が重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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