Project/Area Number |
05855007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 幸雄 京都大学, 工学部, 助手 (80252493)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光 / 表面電子状態 / 電子散乱 / 定在波 / 金(111)表面 / 銀(111)表面 / 銅(111)表面 |
Research Abstract |
購入したロックイン増幅器を用いさらに走査トンネル顕微鏡のフィードバック回路に改良を加えることによって走査トンネル分光法(STS)の機能を改善させた上で、これを用いて金属表面における電子波の散乱によって生成された定在波の実空間観察を行った。そしてその観察結果から、表面電子状態のエネルギー分散関係や表面ステップによる電子波散乱の強度や位相のずれを、電子波のエネルギーやステップの方位の関数として、決定することができた。また、表面上のナノサイズの島状構造上での定在波の観察にも成功しており、表面電子波がステップで囲まれた島状構造表面内に閉じ込められている振舞いを見てとることができた。散乱による定在波が観察される表面は表面に局在した電子準位を持つものに限られることから、そのような表面としてAu(111)、Ag(111)、Cu(111)を考えていたがが、予想通りこの3つの表面ではいずれも定在波が観察された。しかし、3つの表面で定在波の強度など見え方がかなり異なっており、今後その原因を探っていきたいと考えている。さらに今後はAu(110)表面など表面に電子準位が局在しておりかつ異方性のある表面上での測定を行っていく予定である。 また定在波・散乱現象の解釈についても、有限の測定温度によるエネルギーの広がりによる影響や、電子波が表面上で2次元的に広がっていることによる影響、またSTS測定時の探針の動きによる影響まどの点が明らかとなり、これらの点を考慮した上で解釈を行い、表面電子状態や散乱現象に関するより詳細な議論を行うことができた。
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