AKRマウス胎仔肝細胞移入にて再建されたSCIDマウスの特異な免疫反応機構の解析
Project/Area Number |
05857040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
前田 健一 徳島大学, 医学部, 助手 (30238860)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | SCIDマウス / キメラマウス / 免疫寛容 / T細胞分化 |
Research Abstract |
AKR胎仔肝細胞をSCIDマウスに移植することでリンパ球系を安定的に再建することに成功した(FLTマウス)。マウス骨髄細胞によるSCIDマウスのリンパ球系再建はその程度や機能面において不完全であるとの報告と異なり、胎仔肝細胞による再建は大変効率的であった。FLTマウスのTおよびBリンパ球機能は、正常マウスと殆ど変わることなく、機能的にもリンパ球系は再建されていた。FLTマウスのT細胞機能を脾細胞及びリンパ節細胞で比較検討したところ、脾細胞ではホスト反応性があるのに対し、リンパ節細胞ではその反応性がないという特異な現象が認められた。しかし、脾細胞においてもセルサイズの増大や、IL-2Rの発現は認められず、in vivoで活性化されている証拠はなかった。事実、FLTマウスは外見上異常なく、組織学的検討においても、リンパ球浸潤等の組織変化は認められなかった。T細胞レセプターのVbetaレパートリーを脾細胞とリンパ節細胞で比較したが、MIsに対するクローン除去はいずれの細胞群でも誘導されていた。以上よりFLTマウスで認められたホスト反応性はin vitroにおける見かけ上の反応ではないかと考えられた。脾臓におけるホスト反応性細胞が胸腺由来であるかどうかを胸腺細胞を用いたMLRで検討したが、胸腺細胞は、IL-2存在下及び非存在下いずれにおいてもホスト反応性を示さなかった。一方リンパ節細胞では、IL-2によりホスト反応性が誘導され、リンパ節にはホスト反応性細胞は存在するが無反応状態になっていることが示された。この結果は、FLTマウスの脾とリンパ節の間に組織特異的抗原が存在し、末梢レベルにおいてもT細胞分化と免疫寛容が制御されていることを示唆するものであると考えられた。
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Report
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Research Products
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