ラット培養神経細胞内各種アミノ酸濃度に対する抗てんかん剤及び痙攣誘発剤の影響
Project/Area Number |
05857086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
白石 英幸 島根医科大学, 医学部, 助手 (60235736)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 初代培養神経細胞 / ベンゾディアゼピン受容体 / ペニシリン / 神経毒性 |
Research Abstract |
計画していた培養細胞でのアミノ酸分析の前に、代表的な抑制系受容体の一つであるbenzodiazepine(BDZ)受容体に対する影響の検討を行った。方法は計画に示した方法で神経細胞培養を行い、10日目に各薬剤を投与して13日目に収穫した細胞を用いてBDZ受容体結合実験を行った。今回は、各種痙攣誘発剤(pentylentetrazole,aluminium,zinc,kainic,acid.cobalt,imipenam,penicillin)、抗痙攣剤(bromide,ZNA,VPA,TRH,CBZ)、ホルモン(ACTH)について検討したが、penicillinのみにおいて有意の変化を認めた。即ち、ペニシリンを72時間投与したところ、BDZ受容体結合能は濃度依存性に低下し、10^<-3>Mで有意の低下を認めた。ペニシリン濃度10^<-2>Mでは、24時間以上の投与で有意のBDZ受容体結合能の低下を認めた。またペニシリンを72時間投与した細胞でのScatchard解析では10^<-2>Mで有意の最大受容体数(Bmax)の減少を認めた。この時の受容体の親和性には変化を認めなかった。この条件では、位相差顕微鏡下の培養神経細胞の形態及び培養液中のLDH,NSEの濃度に関してコントロールとの差を認めなかった。また、ペニシリン投与1時間前に、BDZ受容体の拮抗剤であるRo-15-1788(Flumazenil)をあらかじめ投与したところ、上記1のペニシリンによるBDZ受容体結合能の低下が完全に阻止された。ペニシリンは高濃度で痙攣及び脳症を誘発する、神経毒性を示す物質として以前より知られているが、上記の結果は時間経過、従来の報告と考えあわせると、ペニシリン脳症の発現に関係があると考えられた。 尚、本年度計画していたアミノ酸分析については、まだ予備実験の段階で具体的なデータが出ておらず、今後も継続して研究を進めていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)