アジア太平洋域における有機エアロゾルの分子組成と吸湿特性に関する研究
Project/Area Number |
05F05067
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Geochemistry/Astrochemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AGGARWAL Shankar Gopala 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 大気化学 / エアロゾル / ジカルボン酸 / レボグルコサン / 粒子成長 / 水溶性成分 / 吸湿特性 / 雲凝結核 |
Research Abstract |
札幌で採取したエアロゾル試料の水溶性成分の測定を行った。低分子ジカルボン酸など水溶性有機成分をガスクロマトグラフにて測定し、主要イオン成分をイオンクロマトグラフィーにて測定した。また、水溶性有機炭素(WSOC)を炭素計にて測定した。一方、エアロゾル試料から純水を用いて水溶性エアロゾル成分を抽出し、ネブライザーにより直径100ナノメーターの微粒子を生成させ、その微粒子をタンデムDMAに導入し順次湿度を上げることによって粒子のサイズを測定し、エアロゾルの吸湿特性(Growth Factor : Gf)を計測した。その結果、エアロゾルのGfは、無機成分(硫酸、アンモニウム塩、など)に大きく支配されるが、同時に有機物と無機物の相対濃度の違いによっても変動することがわかった。特に、低い湿度では微粒子の吸収特性は水溶性有機物の存在によって大きく支配されることが実験的に明らかになった。この結果は、水溶性有機物が相対湿度が低い環境でも吸湿性を持つことを意味しており、重要な結果である。この成果は、アメリカ化学会の専門誌Environ.Sci.Technol.に投稿中である。 また、エアロゾル試料から低分子ジカルボン酸を分離し、その安定炭素同位体比をGC/IRMSにより測定した。その結果、札幌のエアロゾル試料は、札幌のローカルな影響よりもロシア・中国などから長距離輸送され光化学的に変質を受けた成分に影響されることが明らかとなった。現在、その結果を論文として投稿準備中である。また、H18年度の5-6月に、北京の南500kmに位置する泰山にて実施した大気観測に参加し、昼・夜にエアロゾル試料、3時間毎の試料を採取した。これらの試料について、化学分析と吸湿特性の測定をおこなう予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)