ナノ細孔メンブランの機能化と化学センシングへの応用
Project/Area Number |
05F05126
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG Weimin 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | DNA / 電気化学 / 一塩基多型 / センシング |
Research Abstract |
遺伝的先天性疾患の診断を目的として、個々人のDNA配列を解析することの重要性が高まっている。特に、DNA配列内の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphisms, SNPs)検出法の開発は、個人個人に最適化された「テーラーメイド医療」の実現に向けて重要な研究課題の一つである。これまで、蛍光検出型DNAマイクロアレイが主に開発されてきたが、標的DNAへの蛍光ラベル化などの煩雑な操作が必要であることが問題とされており、これに代わる迅速、簡便かつ安価な手法の開発が期待されている。本研究では蛍光ラベル化を必要としない手法として、金電極表面に固定化したDNA分子膜の脱塩基疎水場空間における水素結合性小分子の電気化学応答に基づいたSNPs検出について検討した。DNA修飾電極をフラビンを含まない緩衝溶液中で電気化学計測を行った結果、脱塩基部位向かい側に配置した標的塩基と錯形成したフラビンに由来する電流応答が得られ、標的塩基がチミン塩基の場合に最も強い電流応答を示すことがわかった。電流応答の経時変化をモニタリングした結果、チミン塩基を標的とした場合に最も減少速度が遅いことが分かった。観測された電流量は脱塩基疎水場空間における標的塩基と錯形成したフラビンの分子数を反映し、電流応答の経時変化はフラビンと標的塩基との錯形成安定度を示すものである。また、DNA融解温度計測ならびに分子力学による安定化構造計算からもチミン選択性を支持する結果が得られた。以上の結果から、電極上に固定化した脱塩基を含むDNA二本鎖内部において、フラビンがチミン塩基に対して選択的に錯形成することが明らかとなった。本研究で行った脱塩基合成DNAと水素結合性小分子を用いるSNPsの電気化学検出は標的DNA配列に一切の修飾操作を必要としない簡便な遺伝子診断法としての展開が期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
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