Project/Area Number |
05F05427
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山崎 昌一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MASUM Shah Md 静岡大学, 創造科学技術大学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 生体膜・脂質膜 / 生体膜のキュービック相 / 脂質膜界面 / ペプチド / L_α相-キュービック相の相転移 / 生物物理学 / 膜のトポロジー変化 / ソフトマター物理学 / Lα相-キュービック相の相転移 / マガイニン2 / 膜融合 / インフルエンザウイルス |
Research Abstract |
1.pH依存的にキュービック相の構造安定性を変えるペプチドの設計をいくつか行い、それらのペプチドとキュービック相を形成するモノオレイン(MO)の膜との相互作用をX線小角散乱法(SAXS)により研究した。まず、新規設計・合成されたペプチド-1であるAc-EWLFLLEとMO膜の相互作用を調べた。MO膜はpH8.0で、Q^<224>相のキュービック相を形成するが、ペプチド-1が高濃度(R【greater than or equal】0.011、ここでRはペプチドと脂質MOのモル比である)存在すると、別のキュービック相であるQ^<229>相を形成した(つまり、ペプチド濃度を増加するにつれて、R=0.011でQ^<224>相からQ^<229>相に相転移した)。ペプチド-1が電気的に中性のMO膜の界面に結合し、そのペプチドのグルタミン酸の負電荷のために膜が負に帯電した結果、その膜表面電荷により生じる静電相互作用のためにQ^<224>相よりQ^<229>相が安定化し、この相転移が生じたと考えられる。次に、MO/ペプチド-1(R=0.020)の膜の構造や相安定性のpH依存性を調べた。その結果、pH7.2以上ではQ^<229>相を形成するが、pH7.0以下ではQ^<224>相を形成することがわかり、pHをさげるにつれて、pH7.0でQ^<229>相からQ^<224>相に相転移することがわかった。さらに、ペプチド-1以外にも2種類のペプチドを合成し、それらも違うpHで、MO/ペプチド膜をQ^<229>相からQ^<224>相に相転移することを見出した。以上のように、pH依存的にキュービック相の構造安定性を変えるペプチドの設計に成功した。 2.負電荷を帯びたジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)とMOの混合膜(DOPS/MO膜)の多重層リポソーム(MLV)とH^+の相互作用をX線小角散乱法により調べた。中性でL_α相であるDOPS/MO-MLVを含む水溶液のpHを下げていくと、pH3.0以下でDOPS/MO膜がキュービック相(Q^<224>相)に相転移した。逆に、低いpHでキュービック相を形成したDOPS/MO膜を含む水溶液のpHを上げていくと、中性でL_α相に相転移することを見出した。pH変化による相転移が可逆的であることがわかった(論文投稿準備中)。
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