コレステロール合成酵素欠損による脳発育異常とアルツハイマー病の病態形成
Project/Area Number |
05F05440
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIA Cao 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | DHCR24 / コレステロール / 脳発育 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
1.DHCR24ノックアウトマウスの脳発育異常の検討 DHCR24ノックアウトマウスは生後数時間以内に死ぬため、胎生18日目のマウスの脳組織切片を用いて器官培養実験を行った。中枢神経系の発育胎生18日では野生型と比較して異常が認められなかった。母体からのコレステロールが胎児の脳-血液関門を通じて脳の発育を支えたと考えられる。同じ時期の大脳皮質組織を300〜500ミクロンの厚さに切り、5%FBS添加DMEM-F12、B27 supplementの培養液中で培養し、二日間後DMEM-F12、B27 supplementの培養液(コレステロールマイナス)に交換して、3週間までに培養した。経時的に培養脳組織を固定し、HE染色や免疫組織化学に用いた。その結果、正常の脳皮質は器官培養中正常な発育を遂げ、神経細胞の増殖・移動による層構造を形成し、神経軸索も正常に発育した。一方、DHCR24ノックアウトマウスの脳皮質では神経細胞の移動が著しく障害され、神経細胞数の減少、軸索の短縮が認められた。コレステロールは細胞膜のcaveolaeというfunction domainの主な構成成分であり、caveolaeは細胞のシグナル伝達に重要な役割を果たしている。DHCR24ノックアウトマウスの神経細胞ではコレステロール合成の欠如のため、caveolaeの構造が破壊され、神経細胞の分裂、遊走が阻害されたと考えられる。中枢神経系の発達・成熟におけるコレステロール生合成の重要性を、器官培養によって初めて明らかにした。 2.プロテオミクスの方法によるDHCR24新たな機能の探求 DHCR24をコードするcDNAを作成し、シークエンスを確認後、pGEX-6p-1に挿入し、大腸菌BL21に導入した。この大腸菌により産生されたGSTとDHCR24との融合蛋白を精製分離した。更に、融合蛋白をGST-sepharose4Bコラムに固定し、脳組織抽出液をこのコラムに通して、DHCR24に結合する蛋白を精製し、SDS-PAGEを行った。現在そのアミノ酸配列の決定中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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