Project/Area Number |
05F05470
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 豊二 東京大学, 大学院農学生命科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Y.K. 東京大学, 大学院農学生命科学研究所, 外国人特別研究員
KIM Yi Kyung 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 海水ウナギ / 直腸 / 水吸収 / ウワバイン / Na^+ / K^+-ATPase / aquaporin / 直腸液 / 直腸の弁 / ウナギ / 腸 / 最終成熟 / Na / K-ATPase / 浸透圧 |
Research Abstract |
広塩性魚であるウナギは淡水中で殆ど水を飲まないが、海水に適応すると不足する傾向にある水を飲水によって補う。飲み込まれた海水は脱塩を受けながら腸まで達し、腸後部で水チャネル,aquaporin (AQP)を介して体内に取り込まれるが、腸管の末端に位置する直腸は水吸収において重要な部位と考えられる。そこで本研究では、ウナギの直腸における水吸収機構の解明を目的とした。直腸液と血漿の浸透圧には正の関係があり、直腸液の浸透圧は血漿よりも約10mOsm低い値を示した。海水ウナギの直腸における水吸収の駆動力を調べたところ、直腸における水の吸収は浸透圧が低いほど高くなることがわかった。このことから、直腸液と血漿の浸透圧差が水吸収を大きく左右すると考えられる。Na^+/K^+-ATPaseの阻害剤であるウワバインを用いた阻害実験では、ウワバインは濃度依存的に直腸の水吸収を抑制した。直腸ではNa^+を濃度的に吸収し、直腸液の浸透圧を体液よりも低く保つことで、連続的に水を吸収していると考えられる。水吸収において重要なファクターと考えられるNa^+/K^+-ATPaseとAQP1抗体を用いて免疫染色を行った。Na^+/K^+-ATPase抗体を用いた免疫染色の結果、直腸の上皮細胞の側底膜に免疫反応が見られた。またAQP1抗体を用いた免疫染色では、直腸の上皮細胞の頂端膜に反応が見られた。AQP1の遺伝子発現レベルは前・後腸より直腸の方が高い値を示した。以上の結果から、海水ウナギの直腸は水吸収の中心的な場所であることが考えられる。直腸に達した海水が血漿よりもわずかに低張になること、直腸の弁と肛門の括約筋により高い内圧が生じること、そして、Na^+/K^+-ATPaseによるNa^+の吸収により浸透圧差が保たれ、さらにAQP1を介して水が吸収されること、以上の要因によって、海水ウナギの直腸では、飲み込んだ海水から効率的に水吸収が行われると考えられる。
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