トキシコゲノミクスの手法を応用した環境汚染物質に対する防御因子の検索と機構の解明
Project/Area Number |
05F05485
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Environmental pharmacy
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
姫野 誠一郎 Tokushima Bunri University, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Jiaming 徳島文理大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 金属 / トキシコロジー / カドミウム / 輸送 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
昨年度の研究により、これまでMT誘導機構が詳細には検討されていなかった金属化合物を動物に投与し、金属結合蛋白質であるメタロチオネイン(MT)の誘導のパターンを検討した。その結果、Pbを投与したマウスの腎臓において、MT mRNAレベルが明らかに上昇するにもかかわらず、MT蛋白質はほとんど上昇しないことを見出した。また、Pbが肝臓にMTを誘導することを初めて見出した。しかし、その機構はこれまで解析されていない。そこで、本年度は、Pbを含むさまざまな金属によるMT誘導機構を詳細に検討した。その結果、Pbだけでなく、Pd,Ni,などの金属も肝臓にMTを誘導することがわかった。金属によって、肝臓中への蓄積量が高いものとそうでないものがあるため、金属の蓄積量以外の要因がMT誘導に強く関与している可能性がある。そこで、血漿中IL-6濃度を調べたところ、Pb,Pd,Ni投与マウスのすべてにおいて、血漿中IL-6濃度が金属投与後に上昇した。この研究により、Pb,Ni,Pdなど、これまでMT誘導機構がほとんど検討されてこなかった金属化合物も肝臓にMTを誘導すること、また、その機構にIL-6の誘導が深くかかわっていることが明らかになった。さらに、Agのように、これまで金属に応答する転写因子であるMTF-1を介した誘導機構が十分に検討されてきた金属を投与したマウスにおいても、IL-6が顕著に誘導されていることがわかり、金属による肝臓中MT誘導全般にIL-6が関与している可能性が示唆された。また、IL-6に応答して、亜鉛輸送体であるZIP14の発現が誘導されることもわかり、IL-6によるMT mRNAレベルの上昇のみならず、IL-6からZIP14の活性化を介したZnの肝臓への流入促進もMT誘導に関与しているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)