活性酸素産生遺伝子Nox1を介するRasおよびヒト発癌機構の解析
Project/Area Number |
05F05491
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鎌田 徹 信州大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
商 維昊 信州大学, 医学部, 外国人特別研究員
SHANG W.H. 信州大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Nox1 / レドックスシグナリング / 活性酸素 / Ras / 小胞体 / NFkB |
Research Abstract |
我々は、ROSによるレドックスシグナリングの調節異常が多段階発癌に寄与するという立場から、その分子機構を解明しようとしてきた。この仮説を支持するものとして、我々は、既に、Ras発癌モデルを用い、ROS産生遺伝子Nox1の発現が、Ras-MAPK経路を介して誘導され、Nox1によって生成されたROSが、Ras癌細胞の癌形質発現に必須であることを発現した。また、ヒト癌との関わりで、大腸癌細胞では、Nox1が、膵癌では、Nox4がAKT-ASK1のカイネースカスケードを介して、cell survivalシグナルを伝達することを示した。この知見は、Noxファミリーがある種のヒト癌の形成に、律速的役割を果たすことを示唆する。Nox1レドックスシグナルにおいて、生成されたROSの標的蛋白を同定することは、癌化機構を理解する上で、重要な課題であるが、未解決のままである。本研究では、この課題にとりくみ、標的蛋白の同定と機能の解析を旨とした。その結果、第一年目の研究で、小胞体蛋白のPDIファミリーに属する蛋白(p55)が標的候補として同定された。p55は、Nox1によって産生されたROSにより、cys残基のSHが酸化され、かつ細胞膜に、局在することが判明した。本年、さらに、p55が転写因子NFkB活性を負に調節し、炎症性サイトカインの産生を調節することを解明した(出版準備中)。この結果は、Nox1-p55のレドックスシグナリングが炎症性疾患に基因した癌化過程に重要な媒介的役割を果たすことを示唆して極めて興味深い。他の成果として、Ras癌細胞の癌化形質に必須的役割をもつNox1の活性を低分子量G蛋白Rac1が調節することを解明した(J.Biol.Chem. in press)。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)