Project/Area Number |
05F05498
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
筒井 裕之 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DONG Jie 北海道大学, 大学院医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 血栓症 / 線溶系 / PAI-1 / 急性相蛋白 / インターロイキン / スタチン / 転写因子 / 高血圧 / プロモーター / C / EBP |
Research Abstract |
高血圧は冠動脈疾患の重要な危険因子である。高血圧患者に生じやすい心血管系合併症は血栓を基盤として発症する。また、冠動脈疾患の進展は炎症や血栓を溶解させる生体の防御システムである線維素溶解系(線溶系)の低下により促進される。線溶系活性は転写レベルで成長因子やサイトカインにより調節されている。プラスミノゲンアクチベーターインヒビター1(plasminogen activator inhibitor type-1,PAI-1)は線溶系の主要な生理的阻害物質である。PAI-1発現の増加は血管内フィブリン蓄積に重要な役割を果たす。一方、血管の内外における炎症で活性化される急性相反応は血管の血栓性動脈硬化に重要で、肝臓は急性相反応での蛋白産生の重要な源である。急性相蛋白の血中濃度の変化は肝細胞での産生の変化による。人肝癌由来の高度に分化したHepG2細胞は急性相反応のモデルである。インターロイキン(interleukin,IL)-6は多くの急性相反応蛋白の主要なメディエイターである。IL-1など他のサイトカインも急性相反応を調節する。サイトカインは高血圧患者に見られる血栓塞栓症や血管障害に寄与すると考えられるため、IL-1βとIL-6が肝PAI-1産生におよぼす影響をHepG2細胞で検討した。培養HepG2細胞を炎症性サイトカインで刺激しPAI-1mRNAと培養液中に分泌されたPAI-1を測定した。IL-1βとIL-6の同時投与でPAI-1は転写因子CIEBPを介して増加した。またスタチンはIL-1β、IL-6、およびその併用による効果をC/EBPを介して有意に減少させた。本研究でスタチンは炎症惹起性サイトカイン刺激によるPAI-1産生の増加を抑制することで抗血栓作用を行使する可能性があることが示された。これらの結果は、高血圧患者で見られる動脈硬化性血栓合併症に炎症が果たす役割を明らかにし、またスタチンが炎症により惹起される血栓症に好ましい影響を及ぼす可能性も明らかとする。得られる結果は高血圧に合併する血栓症の発症機序の解明や、新たな治療法の開発に貢献することが期待される。
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