Project/Area Number |
05F05605
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
河野 公俊 独立行政法人理化学研究所, 河野低温物理研究室, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KONSTATINOV Denis Alekseyevich 独立行政法人理化学研究所, 河野低温物理研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ヘリウム液面電子 / ホットエレクトロン / 量子遷移 / ヘリウム3 / ミリ波吸収 / 非平衡状態 / 2次元電子系 / 量子ビット / 量子計算 / 量子状態遷移 / デコヒーレンス / ミリ波分光 |
Research Abstract |
ヘリウム液面上で電子の位置を1電子単位で制御し、またミリ波励起によってその量子状態を制御することにより、量子ビットを作成することが原理的に可能である。電子の量子状態を観測することは、量子計算結果の読み出しを行うことにあたり、単一電子の量子状態制御と状態観測は大きな実用可能性をもっているとともに、量子力学の基礎に関わる重要な基礎科学の課題でもある。これらの技術要素がいずれも、実現可能であることは、ほぼ明白であるが、実験的実証は今後の大きな課題である。本研究計画では、これらの課題のうち、ミリ波励起による表面励起状態への遷移を制御することと、励起状態からの選択的なイオン化による、電子状態観測の基礎を理解することを目的として、ミリ波照射下での表面電子の3次元空間への逸出現象について調べる。 今年度はミリ波の吸収により液面に対して垂直方向の量子状態が励起された後にヘリウム蒸気中の原子と電子が衝突することで、その運動エネルギーが水平方向に転換されることによる、ホットエレクトロン効果が顕著に観測されることを見出した。電子間の強い相互作用により複数のサブバンドに分布する電子が単一の温度を持つことが期待されることから、理論的なモデルを提案し実験結果との比較を行った。ミリ波のない状況におおいて、斉藤基彦らの考察したホットエレクトロン効果と類似性が高いことがわかり、定量的にもよい理論との一致が得られた。現在論文を投稿中である。
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