Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
南アフリカ共和国の始生代クライパングリーンストーン帯に分布する縞状鉄鉱層地域に胚胎するカラハリゴールドリッジ金鉱床は有力な金の産出源である.しかし,これまで鉱床の地質,地球化学などが明確でなかったために,その重要性があまり認識されていなかった.本課題の外国人特別研究員が博士論文をまとめ,一定の知見が得られたが,同鉱山では現在探査・採掘範囲を広げており,鉱床全体の生成機構を解明するためには更に広範囲における調査と試料採取が必要になっている.一方,鉱山会社では鉱石からの金の回収率が悪いと認識していたが,顕微鏡では相応量の金粒子を確認できず,黄鉄鉱や磁硫鉄鉱の中にサブミクロンの大きさで入っているか結晶格子の中に取り込まれていると推測した. 本年度は,前年及び本年度の地質調査で採取した岩石・鉱石試料についてEPMAやX線粉末回折法などの鉱物学的な研究を行なった後に,炭酸塩鉱物の炭素,酸素同位体比分析を行って鉱床の生成機構解明のための研究を行った.また,年代測定やストロンチウム同位体分析,微量元素分析値も取得し,鉱床の生成環境や熱水の起源,性質に関する解明を進めた. 一方,当研究所の二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて,標準試料となる金イオン注入試料や鉱石試料の微小領域分析を行なった.予察的な分析によると,黄鉄鉱中の金は検出限界以下であったが,磁硫鉄鉱の中に金の存在が確認され,その定量にも成功した.現在,金の存在形態に関する検討を進めているところである.
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