Na+/H+交換輸送体制御因子CHPの結晶構造の決定とそれに基づく機能解析
Project/Area Number |
05F05637
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEN AMMAR Y. 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高分子構造・物性 / ナノマシン / 蛋白質 / バイオテクノロジー / 生体分子 / Na^+ / H^+アンチポータ / 細胞内pH / 結晶構造 / 生物・生体工学 / 生物物理 / タンパク質 |
Research Abstract |
生体イオン環境の制御を担うトランスポータNa^+/M^+交換輸送体(NHE、SLC9ファミリー)は、心疾患や癌の病態の進行にも深く関わることが知られている。私たちは最近、NHEに強固に結合するカルシニュリン様蛋白質、CHP(CHP1およびCHP2)がNHEの活性とその制御に必須であること、またその第二アイソフォームCHP2が癌細胞の速い増殖に関与することを発見した。本研究は、これらのCHPとNHEとの複合体の結晶構造解析を行い、1)CHPがどのような分子基盤でNHEに特異的に結合するのか?2)CHP結合がどのようにNHEの輸送活性を調節するのか?を明らかにする研究をめざした。そのためにまず、CHP2アイソフォームとNHE1側の結合ドメインペプチド(aa503-545)を異なった発現ベクターに導入し、大腸菌から両者の複合体タンパク質を大量に精製する系を作成した。精製タンパク質を用いて結晶化スクリーニングを行い、イットリウム(Y^<3+>)イオン存在下において結晶化する条件を発見し、SPring-8の大型ビームラインを用いて回折データを収集し、2.7Åで構造を解いた(EMBO J)。その結果、CHP2には中央に大きな疎水性に富んだ溝があり、そこにNHE1のCHP結合領域を形成するαヘリックスが疎水性残基の面を向けてみごとに収まっていることが見出された。CHP2は全体で55x47x28Åのサイズを持ち、12個のαヘリックスと4個のβシートを含み、N-lobeとC-lobeの二つの大きなドメインからなる。CHP2にはN-およびC-lobeをつなぐ比較的長いリンカー領域がタンパク質の外に突き出すような構造が存在する。こうした構造は同属の他のタンパク質には存在せず、私たちはCHP-unique (CU) regionと呼んでいる。機能解析により、この領域はNHE1の活性調節に重要であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)