Project/Area Number |
05J00204
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山下 絵美 (川野 絵美) 奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 松果体 / 光受容 / 紫外光受容 / 波長識別 / 感色性応答 |
Research Abstract |
下等脊椎動物の松果体には、緑色光で興奮性、UV光で抑制性応答する感色性神経節細胞があり、それらは波長識別を行うと考えられる。本研究は、カワヤツメ松果体を用いて、眼外の波長識別機構の解明を目的とする。これまでに、波長識別の光入力を担うUV色素パラピノプシンを同定し、UV光受容細胞からの伝達経路を明らかにしてきた。そこで、UV光受容システムと、引き起こされる波長識別の特性の解明を目指した。 感色性神経節細胞は応答様式から波長識別を行うと考えられたが、照射光中の波長成分の違いが実際に神経応答に反映されるかは明らかではない。そこで、細胞外誘導によりUV光と緑色光の比率の変化がもたらす応答性の違いについて検証した。具体的には、背景光に緑色光、テスト光にUV光を用い、UV光強度を段階的に強くし、応答に変化が見られるかをスパイク増減の割合により評価した。まず、緑色光照射でスパイクの発火頻度が増加し、UV光を重ねて照射するとスパイクが抑制された。UV光強度を段階的に上げ、照射光中のUV光の比率を高くすると、スパイク抑制の持続時間が長くなり、感色性応答はスパイク頻度を変化させ照射光中のUV/緑色光の比率を検出して波長識別を行う事が証明された。 組織学的に、UV光受容細胞と神経節細胞が直接連絡する事を明らかした。そこで実際に、シナプスを介した情報伝達がなされるかをシナプス遮断薬CoCl_2の投与により電気生理学的に検証した。すると、感色性応答が記録された後に、CoCl_2投与で神経節細胞の光反応が消失、リンガー液での洗浄後に再度記録され、感色性応答の興奮性、抑制性応答は共に光受容細胞からのシナプスを介した情報伝達により起こる反応であると示唆された。 これらより、感色性応答は緑色光を基準に照射光中のUV光の比率を検出し、そのUV光情報はパラピノプシン細胞から直接シナプスを介して伝達されると考えられた。
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