金属粒子上に吸着した単一分子の表面増強コヒーレント振動の検出
Project/Area Number |
05J00538
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
芝本 幸平 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 表面増強ラマン散乱効果 / 単一分子 / 振動コヒーレント / 金属粒子 / レーザー |
Research Abstract |
前年度で作製に成功した金ナノ微粒子によるSERS高活性二次元ナノアレイ構造体を用いて、ラマン散乱信号の増強度と用いた金属ナノ微粒子の粒子径との相関を見積もった。本基板の作製法は特許申請(特許公開2006-224231平成18年8月公開)しており、詳細は公開特許を参照されたい。実際の実験例として、前年度では作製した基板上に吸着させた10^<14>particle/cm^2程度という極微量のクリスタルバイオレット分子のラマン信号の検出に成功しているが、本年度は、用いた金ナノ微粒子の粒子径とラマン信号の増強度の相関を調べた。その詳細は、Journal of Luminescence, Volumes 122-123, January-April 2007, Pages 792-795に記述してある。吸着させた分子は単層レベルであり、かつ信号強度は金属ナノ微粒子間の特殊場に存在する分子が支配的であるため、本結果は、単一分子レベルの検出の可能性を示唆するものである。 一方、単一分子レベルの検出法のもう一つの側面としてレーザー脱離イオン化による質量分析法に取り組んだ。イオン化において最も重要であるイオン化基板の開発を行った。イオン化に必要なエネルギーを従来はレーザー照射により与えていたが、より効率的にイオン化に必要なエネルギーを試料分子に与えるため、表面プラズモンが励起可能な粒子径を持つ金ナノ微粒子を試料に添加したり、金ナノ微粒子をシリコン基板上に固着させた基板を作製したりして、イオン化の効率を飛躍的に向上させた(特願2006-247854平成18年9月)。本結果により、従来の検出限界を6桁程度向上させ、単分子レベルからゼプトモルオーダーの試料の検出に可能性を示した。現在は、これらのデータをまとめ、論文にするために準備を行っているところである。 本年度も前年度に引き続き、これらの2方向による研究により、単一分子の検出を実現する上で非常に有意義な結果が得られたと考えられる。これらの研究をうまく融合させることにより単一分子からゼプトモルオーダーの極微量試料の検出に向けて、より強い実現性を示したと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)