ボツリヌス菌が産生する毒素複合体の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
05J00580
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
武藤 信吾 東京農業大学, 生物産業学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ボツリヌス毒素複合体 / タンパク質間相互作用 / 血球凝集素 |
Research Abstract |
ボツリヌス毒素は、1分子の神経毒素(約150 kDa)に非毒非血球凝集素成分(NTNHA)と3種の血球凝集素成分(HA-17,HA-33,HA-70)の合計5種のタンパク質が会合し、合計650kDaのサブユニット構造の複合体として培養液中に産生される。毒素複合体のサブユニット構造は、消化管での酸性条件や種々のタンパク分解酵素に対して強い耐性を示し、神経毒素を腸管から標的細胞に送達するという特異的な構造を有している。 これまでの研究成果として、報告者はD型ボツリヌス毒素複合体(650 kDa)は、神経毒素およびNTNHAが各1分子、HA-70が2分子、HA-33およびHA-17が各4分子からなる12量体サブユニット構造であることを明らかにした。本研究では、ボツリヌス毒素複合体の構成成分のうち血球凝集素成分が血球を凝集させる機序を明らかにすることを目的とした。 ボツリヌス毒素複合体の形成途中の段階である中間体毒素複合体種および血球凝集活性を示さない変異型のHA-33を混合することにより、HA-hybrid L-TCを作製した。HA-hybrid L-TCの血球凝集活性および血球結合活性の測定結果から、ボツリヌス毒素複合体は、その12量体構造の中に1分子でも変異型のHA-33があると、血球凝集活性を示さなくなることが明らかとなった。また、4分子のうち1分子でも通常のHA-33が存在すれば、ボツリヌス毒素複合体は血球結合活性を示すことが明らかとなった。これらのことからボツリヌス毒素複合体はHA-33が4分子存在することにより、はじめて血球凝集活性を示すことが明らかとなった。これらの結果はボツリヌス毒素複合体に関する重要な知見であり、毒素複合体の構造と機能のさらなる解明に大いに役立つと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)