剛直な環骨格を有する直線状ケイ素配列による新規共役系の構築とその物性
Project/Area Number | 05J01340 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
佐瀬 祥平 Kyoto University, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost : ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007 : ¥1,100,000 (Direct Cost : ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006 : ¥1,100,000 (Direct Cost : ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005 : ¥1,100,000 (Direct Cost : ¥1,100,000)
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Keywords | ケイ素 / 光物性 / トリプチセン / 分子ワイヤー / 有機金属化学 / 亜鉛 / トリプセチン / リン |
Research Abstract |
これまでに開発したジシラトリプチセンの合成経路においては、その前駆体を合成する上で、オルト位に臭素原子を有するアリールリチウム中間体を調製する必要があった。一般的に、ハロゲンなどの脱離基をオルト位に有するアリール金属種は、ベンザインが生成しやすく調製が困難であり、特に含リチウム化合物は非常に反応活性であるため、極低温を用いなければならず、実用的とは言い難かった。そこで、より穏和な反応性を持っ有機亜鉛試薬を用いれば、上記の問題が解決できると考え検討を行った。予備的検討として、多ハロゲン置換芳香族化合物に対する塩化リチウム存在下の亜鉛挿入反応を精査したところ、活性化置換基(DG)を用いることで、対応する亜鉛試薬を高収率、高位置選択的に調製できることが分かった。本手法はDGとして、エステル、ケトン、アセトナート、スルポナート、トリアゼンなど広汎な官能基が使えるだけでなく、多ハロゲン化複素環化合物にも適用可能な汎用性の高い方法である。これまで位置選択的な有機典型金属試薬の調製法として、有機リチウムおよびマグネシウム試薬を用いた脱プロトン化、およびハロゲン-金属交換反応等が知られる一方、炭素-ハロゲン結合への位置選択的な典型金属挿入反応はほとんど例がなかった。その原因は、金属挿入反応には過酷な反応条件が必要なため反応制御が困難であり、位置選択性が出現しにくいためである。今回開発した手法では、塩化リチウムが炭素-ハロゲン結合への亜鉛挿入反応を劇的に加速することが鍵となり、これまで困難であった選択的挿入反応が実現したと考えられる。なお、調製した有機亜鉛試薬は、様々な求電子試剤との反応、およびパラジウム触媒存在下でのクロスカップリングにより炭素-炭素結合生成に用いることができるほか、未反応のハロゲン部位も様々な方法で修飾が可能であり、特に有機合成分野において大変有用となりうる。
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Report
(3results)
Research Products
(6results)