Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
注意制御はワーキングメモリにおいて干渉や妨害に直面しても適切な情報を活性化させられる機能であり,読解力や推論などの高次認知の個人差に強い影響を与えていることが知られている.注意制御で行なわれている情報処理の実態については未だ不明な点が多いが,注意制御の中核を支えているのは前部帯状回(anterior cingulate cortex:以下ACC)という脳領域であることが明らかにされている。また高齢者は注意制御が加齢の影響で衰えることが知られており、本研究では注意制御の衰えた高齢者の個人差を検討することで若年者の個人差には浮かび上がらないレベルの注意制御を検討した。そのために本年度は機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:以下fMRI)を用いて、高齢者において注意制御の個人差を生み出している脳領域を検討した。その結果、若年者の注意制御を支えているACCに加えて上頭頂小葉(superior parietal lobule:以下SPL)という脳領域の活動が高齢者の注意制御の個人差を左右していることが明らかになった。この研究成果を認知神経科学会(2006年7月),日本心理学会(2006年11月)および日本ワーキングメモリ学会(2006年12月)で発表し、更に研究論文としても"Decreased activation of anterior cingulate cortex in the working memory of the elderly(2006,NeuroReport,17,pp.1479-1482)"を発表した。
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