Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
滋賀県の更新統古琵琶湖層群堅田累層の堆積層解析を行い,その一部が湖成三角州の地層であることを明らかにした.その三角州累重の内,約5〜10mの水深で堆積したと推定される層準に見られる4枚のタービダイト(混濁流堆積物)砂層の詳細な粒度分析を行った結果,それらは下部で逆級化(上方粗粒化),上部で正級化(上方細粒化)することがわかった.このことは砂層が初め増大した後減衰する混濁流によって堆積したことを示す.そのような流れの変化は河川流量が洪水時に徐々に増大しやがて減衰して終わることに対応させることができる.したがってそれら砂層を河川洪水起源の混濁流であるハイパーピクナル流の堆積物,"ハイパーピクナイト"と認定し,日本地質学会第112年学術大会で発表した. 島根県宍道湖の斐伊川河口沖で採取されたジオスライサーコア試料には植物片を多量に含む砂層が多数含まれる.波浪の弱い宍道湖では沿岸流や地衡流が有効な堆積作用であったとは考えにくく,斐伊川以外に堆積物供給源はないため,砂層は斐伊川の洪水排出による堆積物と解釈される.全砂層の粒度分析の結果,陸側の砂層ほど逆級化,沖側ほど正級化が卓越する傾向が明らかになった.この結果はInternational Symposium on Fluvial and Coastal Disastersで発表した. ハイパーピクナル流の濃度変動を検証する実験を行った.水路の水より低温の,一定濃度の実験混濁流を一定流量で長時間流した.熱は対流によって伝わり,伝導は無視できるため,初期温度との差は水路の水による実験流の希釈の程度を反映する.したがって流れの温度を計測することによってその濃度変動を間接的に捉えることができる.温度データのフーリエ解析の結果,約50秒の有意な変動周期が検出され,変動が内的に発生することが示唆された.この結果は,第17回国際堆積学会で発表した.
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