ナノプローブによる単一分子の電子特性評価およびその分子スケール素子構築への応用
Project/Area Number |
05J01700
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一井 崇 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | NC-AFM / KFM / 単一電気双極子検出 / 分子分解能 / 金属フタロシアニン / 非接触原子間力顕微鏡 / 探針振動エネルギー散逸 / ケルビンプローブ原子間力顕微鏡 / アルカンチオール系自己組織化単分子膜 / 分子識別 / 金属フタロシアニン薄膜 / サブ分子スケールコントラスト |
Research Abstract |
非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)は、導電性・絶縁性材料を問わず原子分解能観察を実現可能であることから、次世代のナノエレクトロニクスへの応用が期待されており、特に、一般に導電性に乏しい有機分子を用いる分子エレクトロニクスの研究においては、NC-AFMは欠かせないものとなりつつある。特に近年、NC-AFMと組み合わせることで表面電位分布を高分解能で観察するケルビンプローブ原子間力顕微鏡(KFM)において、原子・分子スケールでのコントラストが取得可能であることが示された。しかし、本来遠距離相互作用力である静電引力を検出することによって表面電位測定を行うKFMにおいて、こうした高分解能KFMコントラストが得られる起源は未だ明らかではなく、またその像が真の表面電位を示していない可能性も指摘されてきた。特に分子系材料においては実験例が極めて少なく、分子系材料における高分解能KFMコントラストの起源の解明が求められてきた。 このような背景の下、本年度は有機半導体として一般的な金属フタロシアニン(MPc)超薄膜を導電性基板上に作成し、KFMを用いて基板-分子界面の分子分解能表面電位評価を行い、そのコントラスト形成メカニズムの解明に取り組んだ。その結果、非対称な構造を有する鉛フタロシアニン薄膜において、その非対称性に基づく電気双極子に対応した分子スケール表面電位コントラストを得ることに成功した。この結果より、KFMを用いることで、分子が持つ電気双極子を単一分子レベルで検出できる可能性が示された。本研究結果は、分子系材料における分子スケール表面電位測定において、そのコントラストの起源を実験的に示したはじめての例であり、こうした一分子レベルでの分子物性評価技術の確立は、今後の分子スケールエレクトロニクスの発展に大きく寄与するものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)