Project/Area Number |
05J01774
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 優章 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヘキサフィリン / 芳香族性 / 転位反応 / 混合原子価 / ポルフィリノイド / 環拡張ポルフィリン |
Research Abstract |
ヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)は、6個のピロールユニットの間にメゾ位と呼ばれるメチン炭素がひとつずつ存在し、この繰り返し単位の構成や、その他の構造的、光化学的類似点から、ポルフィリン直上の高次同族体と考えられている。A2B4タイプのヘキサフィリンはアリール基をさらに小さくすることによりマクロ環の形状を大きく変えることを見出し、この構造をType-Iとして従来の長方形構造(Type-II)と区別した。Type-I構造は、β-アルキル置換ヘキサフィリンの系で各種スペクトル解析の結果見出されていたが、今回X線結晶構造解析に成功した。Type-I構造は、Type-II構造よりも多くの水素結合による安定化を受けやすくよりエネルギー的に有利であると考えられるが、その立体的な達成条件が非常にシビアであり、2-チエニル基と3-チエニル基といった微々たる差でその様子は大きく変わり、2-チエニル基の系がType-Iのみをとり得るのに対し、3-チエニル基の系では、Type-IとType-IIの平衡状態であった。 A2B4タイプにおいてTIPSエチニル基を2つ導入したところ、生成物はType-II構造であったが、これを加熱処理することにより、分子内にビニレン架橋部位を有したヘキサフィリンを与えた。この反応は、Type-I構造様の中間体を経て進行していると考えられ、一方の三重結合が新たなC-C結合を形成し、他方が転位した構造であることをX線構造解析から明らかにした。 ABC4タイプ(A=TIPSエチニル、B=フェニル、C=ペンタフルオロフェニル)においてエチニル基の三重結合は反対側のメゾ位とフェニル基に対して縮環し、インデン骨格を形成する。左右のトリピロジメテンユニットはそれぞれ1価、2価のリガンドとして働くことが期待され、一価の銅イオンと作用させることによって容易にCu(I)-Cu(II)混合原子価錯体を与えることが磁化率測定によりわかった。
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