遷移金属イオンを含む酸化物薄膜における新規な磁気光学材料の探索
Project/Area Number |
05J01800
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic industrial materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 聖介 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ナノ構造体 / 多強性物質 / フェリ磁性 / 亜鉛フェライト / XANES / 第一原理計算 / PLD / 局所構造解析 / 他強性物質 / XAFS |
Research Abstract |
25ZnO・25Fe2O3・50BaTiO3の組成比(mol%)をもつ焼結PLD用ターゲットを用いてKrFエキシマレーザーにより、1.0×10-3 Paの酸素分圧下で800℃に加熱したSrTiO3(100)単結晶基板上に薄膜を作製したところ、異なる格子定数を有する二種類の結晶相が基板面外方向にエピタキシャル成長していることがわかった。断面TEM観察を行ったところ、ペロブスカイト型結晶相をマトリクスとして、直径約20nmの柱状構造をもつスピネル型結晶が基板に対して垂直に成長していることが確認された。室温における面内磁化の外部磁場依存性を測定したところ、高磁場下(5 T)で磁化は飽和し、大きな残留磁化及び保磁力が得られた。Fe-K端のX線吸収微細構造を測定することで局所構造に関する情報を得たところ、メインピークの位置がZnFe2O4からFe3O4側へ若干シフトしていることがわかった。また、RBS測定の結果からは薄膜中におけるZn原子の割合が著しく減少していることから、室温における高磁化の起源としては、準安定ZnFe2O4ではなくZnの置換固溶したFe3O4であると推測される。このように、当初の期待通り準安定ZnFe2O4相のみを析出することはできなかったが、強磁性相を強誘電体相の中に独立に析出させることに関しては成功したといえる。最後に強磁性と強誘電性のカップリングが存在することを調べるために、磁化の温度依存性を測定した。強誘電体であるBaTiO3結晶は-100、0、120℃付近で構造相転移を起こし、誘電性が変化するが、この温度において本薄膜の磁化に変化が見られた。このことは両相の界面における磁歪効果が存在することを示しており、誘電性と磁性のカップリングが期待される。以上の結果より磁気光学デバイスに新しい機能を付与できる可能性が開けたと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)