高分子の結晶化誘導期における構造形成と最終モルフォロジーの変化
Project/Area Number |
05J01844
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer/Textile materials
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Research Institution | The University of Tokyo (2006) Kyoto University (2005) |
Principal Investigator |
小西 隆士 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ポリブチレンー2,6-ナフタレート / メゾ相 / 結晶 / ガラス転移温度 / 広角X線散乱 / 示差走査熱量測定 / 結晶化 / 液晶 / 広角X線散乱法 / 小角X線散乱法 / 単結晶 / アイソタクチックポリプロピレン / 光学顕微鏡 |
Research Abstract |
高分子物質のような複雑系での結晶化過程においては中間状態の存在が重要であると考え、結晶化過程における中間状態の存在を明らかにし、より一般的な高分子の結晶化のモデルを提案するために研究を行ってきた。 そこで本年度では、ポリブチレン-2,6-ナフタレート(PBN)を用いて以下の実験を行うことで今まで確認されていなかったPBNのメゾ相を発見した。 急冷PBN試料について室温で広角X線散乱(WAXD)測定を行うと、結晶相由来のBraggピークは現れなかった。しかし、q=0.44Å^<-1>(d=14.3Å)の位置に鋭いピークが観測された。急冷PBNの延伸試料についてWAXD測定を行うと、その位置でのピークは延伸方向に沿った2点スポットとして観測された(図3)。このピーク位置はα型結晶相の繊維軸方向の長さ(14.36Å)と一致する。このことから、このピークはメゾ相の(001)面に対応するピークであり、急冷により結晶融点以下で液晶的な構造(メゾ相)が生成したと考えられる。 また、このメゾ相PBNをアニールすることによるメゾ相の変化を調べた。示差走査熱量(DSC)測定を行うと、48℃でガラス転移を示したが、さらに70℃付近でもガラス転移温度のようなピークが観測された。また、WAXD測定を行うと48℃までは変化がなかったが、48℃から70℃へかけてメゾ相が成長していることがわかった。さらに、70℃以上ヘアニールを行うと、メゾ相からα型結晶相への転移が起こることがわかった。DSC測定とWAXD測定の結果から、通常の液体状態のガラス転移温度は48℃であり、急冷により現れたメゾ相のガラス転移は70℃であり、メゾ相のガラス転移温度を超えると結晶相への転移が始まる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)