新規BMPアンタゴニストEctodinの同定と骨形成における役割の解明
Project/Area Number |
05J01919
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葛西 義明 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ectodin / BMP / sclerostin / 歯形成 / 骨形成 |
Research Abstract |
Ectodinは分泌性のBMP(骨形成タンパク質)アンタゴニストである。Ectodinは発達段階の骨や歯に発現が認められたことから、これら組織の形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。そこでEctodinの生理的役割を明らかにするためにectodin欠損マウスを作製した。Ectodin欠損マウスはメンデルの法則に従って正常に生まれ、その後の発育にも目立った異常を認めなかった。そこで骨形成および骨量維持機構に果たすectodinの役割を明らかにするために、出生直後のectodin欠損マウスの骨格標本および生後8週齢の頸骨切片を作製し、同腹の野生型と比較した。その結果、これらに明らかな違いは観察されなかった。このことからectodinは正常な骨形成・骨量維持に対して必須の役割を果たしていないことが分かった。SclerostinはEctodinとアミノ酸レベルで約37%の類似性を示すBMPアンタゴニストで、骨組織に強く発現している。このことからSclerostinとectodinは骨領域において機能的に重複している可能性があり、このことが今回ectodin欠損マウスの骨形成過程で異常が観察されなかった大きな要因であると予想される。一方でectodin欠損マウスの歯の様子を観察したところ、明らかな異常が観察された。野生型と比較し、ectodin欠損マウスは切歯・臼歯の本数が増加し、加えて臼歯表面に存在する突起構造(咬頭)の過形成が観察された。マウスの歯の形成は胎児期に開始していることから、これらの異常は胎児期の歯形成に何らかの問題があることに由来すると予想された。そこでectodin欠損マウス胎児において詳細な解析を行ったところ、野生型と比較して、予定歯形成領域が顕著に拡大していること、咬頭マーカーp21の発現領域が拡大していることが分かった。以上の結果から、ectodinは胎児期の歯形成過程に必要不可欠な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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