Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
アセトゲニン類の複合体-I阻害に要求される構造因子としてスペーサー部の機能に注目した類縁体合成を行った。スペーサー部にtetra-yne構造を導入した類縁体は、bis-THF環を持つ類縁体においては阻害活性の低下が見られなかったのに対してmono-THF環を持った類縁体においては顕著な活性の低下が見られた。この興味深い結果を更に深く掘り下げることでアセトゲニン類の阻害活性時におけるスペーサー部のコンフォメーションを検討した。tetra-yne構造の影響をより詳細に検討するためにtetra-yneに連なるメチレン鎖を改変した化合物を新規に合成した。Bis-THF環についてはメチレン鎖が2つ長いものと2つ短いものを合成した。Mono-THF環についてはスペーサー部全体の柔軟性の回復を期待してメチレン鎖が1つ長いものと2つ長いものを合成した。複合体-1阻害活性の評価の結果は、bis-THF環についてはIC50にして数nMレベルの強い活性を維持した。一方でmono-THF環についてはともにIC50で100nMを越え、期待したような阻害活性の回復は見られなかった。更にmono-THF環を持った類縁体についてスペーサーの長さは炭素数にして13個に固定した上で、同じ部位にそれぞれtri-yne、diyneと柔軟性を回復させた類縁体を合成した。結果はそれぞれ78nM、11nMと阻害活性の回復が認められた。このことからmono-THF環を持った類縁体に導入した多重結合は、THF環に近い位置に存在する立体障害として働いていることが強く示唆された。以上の結果は2007年3月の日本農芸化学会大会で口頭発表を行った。今後は更にスペーサー部の構造改変からスペーサー部の機能のみならずTHF環の働きについても考察できるような類縁体合成を行い、それらの結果を以って論文発表を行う予定である。
All 2007 2006 2005
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