近絶滅種タイマイをモデルとした人工育成種苗の海洋における生存過程に関する研究
Project/Area Number |
05J01976
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 隼一 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ウミガメ / 人工種苗 / 超音波テレメトリー / 絶滅危惧種 / 行動生態学 / 人口育成種苗 |
Research Abstract |
本研究では、生物多様性の保全に貢献する人工増殖事業を実現するため、ウミガメ類の適切な放流サイズを明らかにすることを目的とした。ウミガメ類は艀化後、外洋へ休まず泳ぐ興奮状態に陥る。ウミガメ類の放流事業では、放流個体はこの興奮状態から覚めているため、外洋へ辿り着けないのではないかと懸念されている。しかし、この問題は現在まで検証されていない。本研究では、孵化後0"56日間の各成長段階におけるアオウミガメの放流後の拡散過程・遊泳行動を比較した。石垣島・伊原間浜において産卵されたアオウミガメの卵を採取し、(独)水産総合研究センター八重山栽培技術開発センター内人工浜にて孵化させ供試個体とした。供試個体は6個体ずつ3グループに分け、0日間、7日間、28-56日間の飼育を行った。供試個体の大きさ(直甲長)はそれぞれ4.6±0.17cm、4.7±0.12cm、5.4±0.54cmであった。各々の飼育期間の後、供試個体を浜から放流し、目視と電波テレメトリーを用いて1個体ずつ3時間追跡した。追跡の際、供試個体の移動経路、移動速度、移動方位、遊泳方位をGPSとコンパスを用いて記録した。また、表層海流の流向流速、波の方位をGPSブイ、コンパスを用いて記録し、遊泳行動との関係を調べた。実験の結果、すべての供試個体が外洋方向へ移動した。しかし、飼育期間が長くなるにつれて、移動速度は減少し、到達距離は短くなり、移動・遊泳方位にはばらつきがある傾向があった。特に、0日間と28-56日間の両グループの間で有意な差が見られた。目視観察の結果、28-56日間飼育グループの個体の羽ばたきの周期は遅くなる傾向が見られ、また中には表層海流の流れに負けて、陸地方向へ押し戻される個体もあった。これらの結果から、ある程度成長させたアオウミガメ飼育個体は、浜から放流された場合、外洋に到達できない可能性が高いことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)