Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
研究代表者は前年度までに,胎齢早期の胎仔肝臓中のT前駆細胞はLin陰性c-kit陽性IL-7R陽性分画に含まれる細胞集団にPIR陽性細胞として分画することができ,PIR陽性T前駆細胞が胸腺に移行することを明らかにしてきた.本年度はこのPIR陽性T前駆細胞を用い,胸腺上皮細胞とT前駆細胞の相互作用について解析を行った.胸腺細胞をのぞいた胎仔胸腺組織は,T前駆細胞との共培養によって胸腺上皮細胞特有の3次元構造が再構築される.この再構築はB系列細胞との共培養時にはみられなかった.そこでNotch ligandのひとつであるDelta like 1(DLL1)を強制発現させたB細胞を胎仔胸腺組織と共培養した.その結果,T系列細胞との共培養時にみられるような3次元構造が再構築された.このことから胸腺細胞からのNotchシグナルによって胸腺上皮細胞が活性化することが示された.さらに胸腺髄質領域の再構築に関しても解析を行った.通常,胎仔胸腺組織との培養系において,髄質領域の再構築はほとんどみられない.T前駆細胞の分化は,まず皮質領域で起こるために,皮質領域の形成後に髄質領域が形成される.しかし,胎仔胸腺組織との共培養系では胸腺組織の大きさが限られるために,皮質領域形成後に髄質領域形成のためのスペースが不十分であったと考えられる.そこで,T前駆細胞にDLL1を強制発現させ,胎仔胸腺組織との共培養を行った.その結果,皮質領域ととともに,広範囲にわたる髄質領域の再構築がみられた.このことから,髄質領域の再構築にもNotchシグナルの関与が示された.
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