微視的実験手段によるフラストレーションを内在する酸化物の磁性と超伝導に関する研究
Project/Area Number |
05J02113
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井原 慶彦 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | コバルト酸化物 / 超伝導 / 磁気秩序 / 核四重極共鳴 / 核磁気共鳴 / NMR測定 / NaxCoO2・yH2O |
Research Abstract |
層状三角格子コバルト酸化物超伝導体Nax(H30)zCo02・yH20における磁性と超伝導の関係を調べるため、超伝導転移温度の異なる様々な粉末試料、及び単結晶の母物質NaxCo02を水和することにより得られる結晶試料においてCo-NMR,NQR測定を行っている。本年度は特に以下に挙げる2点について研究を行い、得られた結果をまとめた。(1)磁気相近傍に位置する試料を用いたCo-NMR測定、Co-NQR測定の結果から磁気相近傍に位置することが予想されている試料を用いて、Co-NMR測定を行った。今回用いた試料は零磁場下では4.4Kで超伝導転移を示し、最低温まで内部磁場の発生は見られない。ところが、5T以上の磁場におけるCo-NMRスペクトルは4Kにおいて磁気異常を示すことが明らかになった。この結果から、磁気相近傍の試料において磁場誘起の磁気秩序が起こっていることを報告した。(2)結晶試料を用いたCo-MWR/NQR測定、単結晶の母物質NaxCo02に水和を行うことにより、超伝導を示す結晶試料を得ることに成功した。結晶試料では水和の不均一が生じやすく、大きな試料依存性が問題となるが、この試料ではマイスナー効果や核スピン-格子緩和率の測定からTc=4.56Kで超伝導を示すことが確かめられた。またCo-NQRスペクトルから試料の不均一性は粉末試料と同程度であることも明らかになっている。本年度の研究ではさらに、磁場角度を正確に制御してCo-NMR測定を行った。また得られたNMRスペクトルからc軸方向のナイトシフトをTc以下まで測定し、今回測定した試料では超伝導状態中でこれまで報告されていた結果のおよそ1割程度しかナイトシフトの減少が見られないことを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)