中性K中間子稀崩壊モードの精密測定による小林・益川行列の複素パラメータの決定
Project/Area Number |
05J02132
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 七重 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フレイバー物理 / フレーバー物理 |
Research Abstract |
現在行なっている研究の目的は、B中間子の放射稀崩壊過程の分岐比および荷電非対称度の測定による、標準理論(SM)の検証とそれを超える物理の探索である。KEKB/Belle実験において、2007年夏までに蓄積されたデータを用いて、分岐比の値を更新し、荷電非対称度を世界で初めて測定した。私の研究では、$656.7\times10^{6}$の$B\bar{B}$ pairを用いて、三つのexclusivemode($B^{0}\to\rho^{0}\gamma$,$B^{+}\to\rho^{+}\gamma$,$B^{0}\to\omega\gamma$)の分岐比測定と$B^{+}\to\rho^{+}\gamma$を用いた荷電非対称度の測定を行なった。このような稀崩壊事象の測定では、バックグラウンドの除去が特に重要であり、主なバックグラウンド事象にはcontinuum事象($B \to K^{*}\gamma$事象て$\rho\gamma$のみ)が存在する。前者は事象のトポロジーを用いてシグナルと区別する。今回、$\omega\gamma$の解析において、従来の方法に$\omega$の不変質量とDalitz plotの分布の違いを利用する手法を加え、バックグラウンドによるランダムな組合せとシグナルに対する識別能力を向上させることができた。後者については、$K$が$\pi$と間違って同定と間違って同定と間違って同定されてしまうことによるもので、これに対してシグナルが$|V_{td}/V_{ts}|^{2}$で抑制されるため重要なバックグラウンド事象となる。$B \to K^{*}\gamma$事象を抑制するために、変数$M_{K \pi}$を用いる。$M_{K \pi}$は、$\rho$の再構成に使った$\pi$に$K$の質量を仮定して得られる不変質量である。そのイベントが$B \to K^{*}\gamma$事象であれば、$K^{*}$の質量にピークを持つ。従来は、この変数はカットに用いていたが、$\rho^0\gamma$の解析では、この性質を利用して、フィットパラメータとして用いた。これにより、シグナルとの識別能力を改善させ、また検出効率を20$\%$向上させることに成功した。分岐比測定に加えて、$B^+ \to \rho^{+}\gamma$モードの荷電非対称度の測定も行なっており、この測定は世界で初めての結果である。更に、分岐比測定の結果から、$|V_{td}/V_{ts}|$に新しい制限をつけることができた。これらの結果を近く論文投稿する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)