炭素-炭素結合開裂を伴うアリルジルコニウム反応剤の調製とその応用
Project/Area Number |
05J02223
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 康次 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レトロアリル化 / アリル化 / ホモアリルアルコール / ビスピナコラートジボロン / シラシクロブタン / パラジウム / ニッケル / ロジウム / 1,4-付加 / ガリウム / トリアルキルボラン |
Research Abstract |
(1)レトロアリル化を鍵とする炭素-炭素結合開裂を用いたアリル金属反応剤の発生とその利用 一年目及び二年目に見いだしたパラジウム触媒を用いたレトロアリル化反応を利用し、シリル基置換ホモアリルアルコールからハロゲン化アリールへ位置特異的ならびに立体選択的にシリル基を有するアリル基を移動させ、対応するビニルシランおよびアリルシランを合成することに成功した。また、光学活性なシリル基置換ホモアリルアルコールを用いれば、その立体化学の情報がほぼ完金に生成物へ転写されるという非常に興味深い現象も見いだした。さらに、このパラジウム触媒を用いたレトロアリル化がレトロプロパルギル化へと拡張できることを明らかとした。ホモプロパルギルアルコールがパラジウム上でレトロプロパルギル化することでアレニルパラジウムが生じ、これがハロゲン化アリールと反応することで対応するアリールアレンを与える。上述したホモアリルアルコールによるアリル化反応の基質適用範囲の拡大を行うなかで、アリルカーボネートのアリル化反応にはパラジウム触媒よりもニッケル触媒が極めて有効であることを見いだした。これによりニッケル触媒を用いた初めてのレトロアリル化反応に成功しただけでなく、従来法ではその合成に課題の多かった1,5-ヘキサジエンのカップリング反応による効率的合成が可能となった。また、同じく二年目に見いだしたロジウム触媒を用いるレトロアリル化反応において、発生したアリルロジウム種がアクリル酸エステルに付加することを見いだした。これを利用し、ホモアリルアルコールからオレフィンへの触媒的アリル基移動反応を可能にした。一方で、これら一連の反応の律速段階と考えられるレトロアリル化の過程が、マイクロ波の照射によって著しく加速されることも見いだし、反応時間の大幅な短縮と触媒量の削減に成功した。 (2)ニッケル触媒による新反応の開発 二年目に開発したトリアルキルボランのα,β-不飽和エステルへの1,4付加反応に有効なニッケル触媒が、ビス(ピナコラート)ジボロンのα,β-不飽和エステル、およびアミドへの1,4付加反応をも触媒することを明らかにした。また、一年目に見いだしていたニッケル錯体とシラシクロブタンの反応をさらに詳細に検討した結果、ニッケルがシラシクロブタンによる末端アルケンの位置および立体選択的シリル化を触媒することを見いだした。この反応系を用いることで非常に広範なアルケンを直接シリル化し、高選択的にビニルシランを合成することができる。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)