カタユウレイボヤにおけるトランスポゾン挿入変異体shrinkerの解析
Project/Area Number |
05J02260
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 輝実 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カタユウレイボヤ / トランスポゾン / 変異体 / alpha-2-macroglobulin / 変態 / 幼若体 / トランスポゾンMinos / 挿入変異体 |
Research Abstract |
前年度までの研究から、ゲノムワイドな遺伝子解析やモルフォリノオリゴによる翻訳阻害実験により、動物界において広く保存され自然免疫に関わることが知られているプロテアーゼ阻害タンパク質alpha-2-macroglobulin(A2M)遺伝子が、カタユウレイボヤのトランスポゾン挿入変異体balloon(shrinkerを改名)の原因遺伝子として同定された。今年度は、A2M遺伝子変異がカタユウレイボヤballoon変異体の形態異常を引き起こす機構について明らかにすることを目的として、balloon変異体の発生過程の表現型を詳細に解析し、A2M遺伝子変異が器官形成に与える影響について明らかにした。 これまでの研究では、balloon変異体では変態以後に形成される各器官の分化は正常におこるものの、その形態が異常になることが明らかになっていた。そこで、各器官の形態形成過程を明らかにするため、まず内胚葉性の器官である内柱に注目して調べた。光学顕微鏡による観察の結果、balloon変異体では内柱が野生型に比べ伸張しないことが明らかになった。次に、この異常の原因を細胞レベルで調べるため、共焦点レーザー顕微鏡においてより詳細に観察したところ、この内柱の形態異常は、内柱を構成する細胞の細胞数の減少および形態異常に起因し、細胞の大きさおよび密度によるものではないことが明らかになった。他方で、balloon変異体では血球数が野生型より少ないことが観察された。以上の結果は、balloon変異体の形態異常は、成体組織の構成細胞数減少に起因することを示唆する。 上記の研究結果から、脊索動物カタユウレイボヤにおいて、A2Mが組織の形態形成過程における細胞増殖および維持機構に関連して発生を制御することが示唆され、A2Mが既知の機能である自然免疫とは異なる発生制御における機能を有する可能性が示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)