交雑を介した被子植物の多様化:交雑種の送粉様式の変化が花形質の進化に果たす役割
Project/Area Number |
05J02323
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 雄大 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | DNA分類 / 核リボゾーム遺伝子 / 雑種不稔 / 生殖隔離 / 人工交配実験 / 種分化 / 穏蔽種 / チャルメルソウ類 / 分子系統解析 / 異質倍数化 / 多様化 / 雑間交雑 / 遺伝子浸透 / 倍数化 / チャルメルソウ / キノコバエ |
Research Abstract |
近年の分類学において、DNA塩基配列に基づく効率的な種認識の方法論の進展は目覚ましいが、一方で特定の遺伝マーカーに基づく被子植物の種分類あるいは種同定の試みは乏しい。これはおそらく被子植物において一般に、形態に基づく分類システムの信頼性が高いこと、また種が遺伝的に単系統群にまとまらないことが多いと信じられていることに起因すると考えられる。しかしながら被子植物の種を簡便に、そして効率的に定義できるような遺伝マーカーを見つけ出すことは、ある植物の個体を十分な形態情報無しに、正確に既記載種に位置づけたり(DNAバーコーディング)、あるいはある系統群の中に隠蔽的な種の多様性を見出したりする(DNAタクソノミー)道を開くため、極めて価値が高い。そこで昨年度に引き続き、核リボゾーム遺伝子のETS及びITS領域を用いて、日本産チャルメルソウ類の種の多様性の再評価を行った。その結果、現在10種が知られているチャルメルソヴ節において少なくとも13の明確な種を認識することができた。これは、被子植物の隠蔽種探索にETSおよびITS領域が有用であることと同時に、極めて最近に種分化を遂げた種群への適用には限界があることも示唆している。 また同所的に生育するチャルメルソウ節の種間がいかにして生殖隔離を達成し、種の独自性を保って共存しているかを調査した。200通りにも及ぶ網羅的な人工交配実験の結果、チャルメルソウ節においては種間交雑が稔性を著しく低下させ有害であるにも関わらず、他種花粉を排除する仕組みはあまり発達していないことを明らかにした。一方で野外調査の結果からは、同所的に生育する種間では開花フェノロジーの違い、あるいは送粉様式の違いによって生殖隔離が達成されていることが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)