MAPキナーゼの時間的制御による細胞運命決定機構の解析
Project/Area Number |
05J02330
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戎家 美紀 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | タイリングアレイ / 早期応答遺伝子 / 転写 / 波及効果 / MAPキナーゼ / 増殖因子 / マイクロアレイ / 細胞内シグナル伝達 / 細胞運命決定 / 細胞周期 |
Research Abstract |
昨年度までに私は、ERK・MAPキナーゼの活性化時間が遺伝子発現に与える影響をマイクロアレイを用いて解析し、一定の成果を挙げることができた。本年はタイリングアレイを用いてさらにその内容を発展させる予定であったが、その過程で興味深い現象を発見した。増殖刺激によって発現量が急激に上昇する遺伝子群は早期応答遺伝子と呼ばれるが、驚いたことに、早期応答遺伝子に近接する遺伝子群の発現量も上昇する傾向があった。さらに、タイリングアレイを用いて遺伝子間領域での発現変化を観察しなところ、アノテーションされていない新規転写産物の発現量も同期して上昇していた。すなわち、早期応答遺伝子群の転写活性化は、近傍の様々な転写産物の発現量に対して波及効果を持つことを見出した。この「転写の波及効果」は、ERK・MAPキナーゼ経路あるいは転写因子SRFを阻害することによって抑制された。また、早期応答遺伝子の近傍ではヒストンのアセチル化状態が亢進することもわかってきた。これらの結果は、遺伝子発現の解析時には、染色体上での位置や順序ももっと考慮されるべきファクターであることを示唆している。今後は、この「転写の波及効果」のさらなるメカニズムの解明を目指していく予定だが、これがどの程度一般的な現象なのか、あるいはどういった生理的意義を持つのかなども興味深い課題だと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)