RhoファミリーG蛋白質Rnd2とエフェクター、ラポスリンの新規神経機能の探究
Project/Area Number |
05J02337
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柿本 哲宏 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 神経細胞 / 樹状突起 / スパイン / 細胞膜陥入 / 神経突起 / 分枝化 |
Research Abstract |
神経細胞がその形態を変化させて神経回路を形成する機構としては、これまでRhoA、Racl、Cdc42に代表されるRhoファミリー低分子量G蛋白質によるアクチン細胞骨格の再構成を介した機構が精力的に研究されてきた。Rnd2は比較的新しいRhoファミリーの一員であり脳に特異的に発現しているが、その神経系における機能は不明であった。Rnd2のエフェクターであるラポスリンは、細胞膜の陥入とアクチンの再構成を協調的に制御して、エンドサイトーシスに重要な役割を果たすことが明らかにされてきており、近年注目されている。しかしながら、ラポスリンもまた、脳に高発現しているにもかかわらず、その神経細胞における生理的機能は不明であった。 そこで私は、まずRnd2とラポスリンの脳における発現を調べた。Rnd2とラポスリンは、海馬などの神経細胞において発達段階後期に強く発現していた。この時期の神経細胞ではシナプス後部構造体スパインの形成が盛んに行われているので、Rnd2とラポスリンのスパイン形成における機能を調べた。初代培養海馬神経細胞においてRnd2またはラポスリンをsiRNAによりノックダウンすると、スパインの形成およびシナプスの成熟が抑制された。このことから、Rnd2とラポスリンが協調的にスパイン形成を制御している可能性が強く示唆された。 さらに私は、Rnd2が、エンドサイトーシスにおいて重要であるラポスリンによる細胞膜の陥入を促進することを見出し、これまで不明であったラポスリンによる膜ダイナミクス制御機構の上流の調節機構の一端を明らかにした。 以上のように私は、エンドサイトーシスを制御するラポスリンが、Rnd2による上流の調節を受けながら、樹状突起シナプス後部構造体スパインの形成に重要な役割を果たすことを見出した。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)