マムルーク朝後期エジプト・シリアにおけるイクター制の崩壊過程と社会体制の変容
Project/Area Number |
05J02386
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
五十嵐 大介 The Toyo Bunko, 研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 中世史 / イスラーム / アラブ / マムルーク朝 / 土地制度 / 財政史 / 寄進 / エジプト:シリア / エジプト・シリア |
Research Abstract |
本年度は科研費支給の最終年度にあたるため、これまでの三年間にわたる自身の研究成果を、論文や口頭発表として公表することに努めた。その結果、論文5本刊行、口頭発表(学会・研究会・シンポジウム含む)4回という成果が得られた。 その中でも、2007年5月に中東学会年次大会(於東北大学)で報告し、その後論文として発表した「マムルーク体制とワクフ」は、私の採択研究課題の集大成とも言えるものである。本研究においては、ワクフ(イスラーム的寄進)の規模が急速に拡大し、その社会的役割が無視し得ない段階に達した14世紀末〜16世紀初頭のエジプト・シリアにおいて、ワクフの拡大が中世アラブの基本的な軍事・土地制度であるイクター制に依拠していたマムルーク軍人支配層の権力・支配構造にいかなる影響を与え、その中で彼らがいかにしてその支配体制を維持し得たのか、特に経済的側面について考察した。それにより、彼らがワクフ設定者/受益者として、管財人として、またワクフ地の賃借人として、ワクフ制度に様々なレベルで関与し、それを通じて富と社会的影響力を獲得していたこと、そして既存のマムルーク体制の支配構造がワクフ制度を取り込むことによって維持されたことを明らかにした。 また、2007年4月にChicago大学中東文献センター(Middle East Documentation Center)とDePaul大学が共催した、マムルーク朝政治史研究国際会議(International Conference on Mamluk Politics)に参加し、自身も"The Financial Reforms of Sultan Qaytbay"というタイトルで口頭発表を行った。なお同報告は、Chicago大から刊行されている学術誌Mamluk Studies Reviewに掲載が決まっている(同報告の一部が、論文「マムルーク朝末期の財務行政」である)。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)