Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,「温室地球」から「氷室地球」への転換点である始新世/漸新世境界(以下E/O境界と記載)付近で,珪藻Chaetoceros属が渦鞭毛藻類に替わって沿岸生態系の主要な一次生産者と進化していった過程を解明することである. 申請者の研究により,約4000万年前から,現在までの珪藻休眠胞子化石の分類が行われてきた.その結果,約3400万年前のE/O境界付近で,Chaetoceros属休眠胞子の多様性と産出頻度が激増する「Chaetoceros爆発」イベントが起きたことが解明された.一方,渦鞭毛藻類の休眠シスト群集は,逆に多様性と産出量が急減しており,沿岸域における主要な一次生産者がこの時期に渦鞭毛藻類からChaetoceros属に急激に交代した可能性が示唆された. しかし,研究した試料間隔の制約から,正確な数値年代が明らかにできなかったため,これはあくまで仮説である.さらに,Chaetoceros属と渦鞭毛藻類の激変が本当に対応しているのかも確かめられていない.また,「Chaetoceros爆発」とOi1イベントとの対応関係や,もう1つの重要な一次生産者である石灰質ナノプランクトンの群集変化との関係も全くわかっていない. そこで,現在,E/O境界をまたぎ,かつChaetoceros属・渦鞭毛藻類・石灰質ナンノプランクトンをすべて含み,さらに酸素同位体比の測定用の有孔虫化石をも含有する連続コアサンプル(アフリカ南東沖,DSDP369および南極沖ODP689)を高時間分解能で分析することにより,同一コアを高時間分解能で分析し,事変の正確な年代と各タクサ間および酸素同位体イベントとの対応関係を明らかにすることを試みている.そして,これを基にこの事変の詳細な変遷過程を解明し,その原因を考察する予定である.
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