電波干渉計を用いた高分解能に基づく中質量原始星進化の系統的研究
Project/Area Number |
05J02696
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
高橋 智子 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ミリ波干渉計 / 中質量原始星進化 / サブミリ波観測 |
Research Abstract |
中質量星形成領域オリオン分子雲-2/3領域(OMC-2/3領域)に対し、野辺山ミリ波干渉計(NMA)、サブミリ波単一鏡(ASTE)を用いた観測を行った。我々の研究目的は、低質量星形成領域で提唱されている動的降着、活発な双極流を伴った星形成シナリオがさらに重い星が形成されている領域でも成り立つかを検証する、つまり中・大質量星形成過程を解明することが最終目的である。 OMC-2/3領域に存在する中質量原始星候補天体全てにおいてH^<13>CO^+(1-0)輝線およびダスト連続波輝線を用いて終了している。候補天体の多くは過去の研究からClass0進化段階(原始星初期段階)にあると診断されていたが(Chini et al.1997)、我々のNMAを用いた観測により原始星の進化段階がさらに細分化出来ることが示唆された。具体的には、(i)中心に星が形成されていない星なしコア段階、(ii)中心星が形成され、付随する高密度ガスが中心星へ降着している段階、(iii)質量降着期の後期段階にあり、高密度ガスはすでに散逸を始めている段階である。 さらに、我々は原始星進化と分子流の持つ性質の違いにも注目しており、これらの天体に付随する双極分子流探査をアタカマ砂漠(チリ)に設置されているサブミリ波望遠鏡ASTEで行った。分子流の良いトレーサーであるCO(3-2)輝線を用いた観測の結果、進化段階(i)にある天体では分子流は観測されなかった。これは中心領域でまだ星が形成されていないため、それに伴う質量放出現象がみられないということで解釈可能である。一方、原始星に付随する分子流の運動量は原始星進化が(ii)-(iii)へと進むに従い、増加する傾向にあることが示唆され、中心星の進化とともに分子流が成長している様子が明らかとなってきた。このように、中質量Class0天体に付随する双極分子流の成長過程を系統的研究から明らかにした例は初めてである。以上の成果について、秋の天文学会で口頭発表を行うとともに、日本・台湾合同の研究会およびマドリードで行われた国際会議(Science meeting with ALMA)で英語口頭発表を行った。また、NMAを用いたサーベイ結果の一部はすでにAstrophysical Journalに掲載され(Takahashi et al.2007,ApJ,651,933)、ASTEの成果については、現在投稿論文を執筆中(投稿間近)である
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)