Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
糖鎖は、その自己組織化機構の解明が、生体高分子の中でも比較的遅れているが、環境面や生体適合性だけでなく、元来有する機能性を生かすために注目して研究を行う必要がある。糖鎖と相互作用する分子を混合することで、糖鎖ベースの超分子を構築してその物性を調べた。超分子構築には、構成要素となる分子の詳細な分子特性を知り、それを元にして各種条件を制御する必要があるが、その作成と分析が困難であった。昨年度から行っている手法の開発に引き続き取り組んだ。作成には主にSEC及びODSカラムを利用した分取クロマトグラフィー方式を用いた。従来、この方式では大量のサンプル作成が著しく困難であった、昨年度から開発していた、分取及び濃縮の自動化システムが完成し、大量のサンプルを作成可能になった。各サンプルの分子特性を明らかにするべく、希薄溶液物性を調べた。市販のSEC-MALLSに加え、固有粘度計、及び昨年度開発した、HPLC-SAXSを組み合わせることで、各種多糖を対象として、3.5桁を超える広い分子量範囲において、重量平均分子量、回転半径、固有粘度等を評価し、山川らの螺旋みみず鎖モデルで解析し、剛直性他の各分子特性値を得た。糖鎖の分子量の最適化により、糖鎖との相互作用による超分子の構造制御により、巨視的な物性をコントロールする研究を進めた。分子量が1万以上の高分子においても、糖鎖の重合度を1変えるだけで、巨視的な物性(例えば粘度)を数十倍〜数百倍も制御することが可能であった。これまで不可能だったサンプル作成法及び開発した手法によって、初めて明らかになった現象である。従来、高分子においては、単分散性の重要性は比較的低いと考えられてきたが、超分子構築に際しては、真に単分散であるサンプルの重要性が明らになり、超分子の構築の指針が新たに得られたと言える。
All 2008 2007 2006 2005
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Book (4 results)
Journal of Cereal science (印刷中)
FFI Journal 212・1
Pages: 11-11
Gums and stabilizers for food Industries (In press)
Cellulose (In press)
Transactions of the Materials Research Society of Japan (In press)
Biomacromolecules (In press)
Journal of agricultural and food chemistry 53
Pages: 9056-9063