Project/Area Number |
05J03415
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Osaka University (2006) Osaka City University (2005) |
Principal Investigator |
鎌野 寛之 大阪大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | カイラル対称性 / カイラル簡約公式 / ハドロン反応 / バリオン共鳴 / Roper共鳴 / σ中間子 / シグマ中間子 |
Research Abstract |
本年度は、「カイラル簡約公式」を出発点にして、低エネルギーのハドロン反応において重要な共鳴状態のひとつであるRoper共鳴N^*(1440)の崩壊様式などをπN→ππN反応を対象に研究を行った。その業績は、(1)πN→ππN反応を介したRoper共鳴とσ中間子の研究、簡約公式の定式化に言及した(2)カイラル簡約公式のoff-shell領域への拡張、に木別される。以下研究結果の概要を記す。 (1)πN→ππN反応を介したRoper共鳴とσ中間子の研究 最近Crystal Ball(CB)によって得られたπN→ππN反応のデータに見られる特徴的な振舞いがRoper共鳴の二種の崩壊過程、N^*→ΔπおよびN^*→N(ππ)_<I=J=0>、の強い干渉効果に起因することを示した。次に、N^*→N(ππ)_<I=J=0>中のπ中間子間の相関からσ中間子が生成される可能性があることから、πN→ππN反応を利用してσ中間子の存在について調べた。結果、CBのデータを矛盾なく再現するには、σ中間子の存在が不可欠であることが分かった。近年核媒質を利用したσ中間子の探索が行われているが、本研究の結果は、πN→ππN反応のような素過程からもσ中間子の情報を抜き出せる可能性を示唆している。本研究の内容はPhysical Review C誌上に発表された。 (2)カイラル簡約公式のoff-shell領域への拡張 カイラル簡約公式に基づく過去の研究では、外線の足が全てon-shellである散乱振幅が取り扱われ、一般にはoff-shellであるポテンシャル等についてはほとんど議論されていない。簡約公式がoff-shellの振幅に対しても矛盾なく適用できるかは自明でない。本研究では、off-shellのπ中間子が含まれる場合には既存の簡約公式がカイラル対称性と矛盾する結果を導くことを示し、off-shell π中間子にも適用可能な簡約公式の拡張方法を提示した。一般にoff-shellのポテンシャルを用いるLippmann-Schwinger方程式などをベースにした散乱問題へのカイラル簡約公式の応用が期待できる。本研究の内容はProgress of Theoretical Physics誌上で発表された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)