近世中期上方文化史の研究-京都東山文化圏におけるネットワークを中心に-
Project/Area Number |
05J03797
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | The University of Tokyo (2006-2007) Fukuoka University (2005) |
Principal Investigator |
小笠原 菜穂子 (田邉 菜穂子) The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 江戸文学 / 俳諧 / 西村定雅 / 美角 / 既白 / 京都 / 西村定雄 / 東山 / 景観論 / 双林寺 / 月峰 / 近世紀行文 |
Research Abstract |
今年度は、とくにこれまで収集してきた江戸時代中・後期上方の俳諧関連資料・洒落本・書画会関連資料・名家門人録・日記・紀行文(『大熊言足紀行文』を中心に)などといった分野を超えた資料を、「東山」「円山」「双林寺」「月峰」「定雅」を主たるキーワードとして分析した。また、この時期の上方俳壇および文壇の重鎮であり、歌舞伎評判記作成にも重要な役割を担っていた、京都東山在住の俳人西村定雅の全句データを作成中であるが、今期もその更なる充実を図るとともに、昨年度とりあげた双林寺の住職で俳諧師・画家でもある月峰と比較するために、定雅の編んだ年刊句集『初懐紙』類、『秋懐紙』類、『真葛草紙』類、『春懐紙』類を翻刻、さらにその内容・句風の分析を行った。具体的には、それらの句集によって確認できる俳諧結社の交流、俳書の構成・様式の変化、収録句の種類(歳旦・歳暮句/春興句)、趣向や詠み込む素材の分類解析を行った。それにより、定雅の俳壇における位置のみならず、年刊句集における諸々の変化が象徴する、当時の俳壇における強力な潮勢である蕉風復興運動の影響一句風ひいては俳論の変容一を追究。そのほか、定雅とその兄である美角が埋葬される京都善導寺所蔵資料により、定雅の伝記研究の補強を行った。これらの報告の第一弾として、定雅の俳壇における活動の起期となる安永期(1772〜1781)を取り上げ、「安永期における美角・定雅の俳諧活動」(九州大学国語国文学会編『語文研究』に発表予定)を成した。本稿では、定雅の俳諧活動が常に兄美角とともにあったこと、行脚俳人である既白と関係が深かったこと、蕪村や夜半亭一門と接点をもちながらもその関係は常に一定の距離があったこと、上京してくる様々な有力地方俳人とは積極的にかかわっていたことなどを示す内容となった。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)