音声学習と文法創発に関わる神経回路の発生学的同定:鳥類の種間比較に基づく研究
Project/Area Number |
05J04196
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松永 英治 The Institute of Physical and Chemical Research, 生物言語研究チーム, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 発生学 / 神経回路形成 / 神経行動学 / 進化 / 多様性 / 鳴禽類 / 分子的基盤 / 歌学習 / 発生 / 鳥類 |
Research Abstract |
鳥類の中でも鳴禽類は、幼鳥期に歌を学習することで知られる。鳴禽類の脳内には、「歌制御系」と呼ばれる神経回路網が存在しており、歌の学習や産出の基盤として働く。これに対し、歌学習能をもたないニワトリやハトは、このような回路網を持たず、鳴禽類とは明確な違いを有する。本研究は、歌制御系形成過程の分子機構を明らかにするとともに、歌学習能を持たない他種との比較研究より、進化の過程で歌制御系を獲得し、さらには歌学習能を獲得し発達させた分子的基盤を明らかにすることを自的としている。本年度は、本研究課題の最終年度ということもあり、これまでに得られた成果を学術論文としてまとめ発表することを、第一の目標とした。これまでに得られた詳細な遺伝子群の発現パターンの比較データをもとに、進化の過程で、歌制御系の獲得を導いた候補因子群として多くの因子を同定したが、とりわけ重要と考えられるアンドロジェン受容体と、カドヘリン遺伝子群について、発達時期を追った発現変化や、種間、雌雄間での発現比較などの詳細な解析を行ない、鳥類は、アンドロジェン受容体など歌制御系を持つ種に共通の遺伝子発現を獲得した段階と、さらに引き続いてカドヘリン分子群など、歌制御系を持つ種間でも発現に多様性が見られる因子群の発現を獲得した段階を経て、それぞれ種に特異的な歌学習能を獲得したと考えられる結果を得た。また、歌制御に関わる神経核であるRA核において、歌学習の発達に関連をもって発現するカドヘリン分子のサブタイプが変化することを明らかにした。これらの成果を最終的に、紀要論文1報を含む計3報の論文にまとめて、発表した。また、カドヘリン分子の機能について、レンチウイルスによる強制発現実験を行ない、発現するカドヘリンのサブタイプが発達時期に伴って変わっていくことが、歌の正常な習得に必須であることなどを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)