Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では、網膜背側の神経節細胞で特異的に発現する新規分泌性分子の生理機能の解析を行っている。 私どもは,ニワトリ網膜内における本分子の発現をshRNAにより抑制すると,背側の視神経軸索が本来とは異なる位置で枝分かれを起こすことを観察している。本分子は分泌性の蛋白質であるため,何らかの受容体を介して軸索の枝分かれを調節しているものと考えられた。そこで本年度は、本分子の受容体の同定を発現クローニング法により試みた。E14のニワトリ網膜と視蓋よりmRNAを単離し、directional cDNA libraryとrandom cDNA libraryを作成した。Directional cDNA libraryを10万クローン及び、random cDNA libraryを210万クローン、本分子とアフカリフォスファターゼまたはFcとの融合蛋白質をプローブに用いてスクリーニングしたが,受容体の単離は成功しなかった。 Eph-ephrin系は視神経軸索の枝分かれの位置を調節しており、Ephが機能するためには,Ephと結合したephrinがマトリクスメタロプロテアーゼにより切断される必要があることが知られている。一方,新規分泌性因子はプロテアーゼインヒビター様のドメインを持っている。そこで、本分子がephrinの切断を制御することで,背側の視神経軸索の枝分かれの位置を調節している可能性について検討した。Neuro2A細胞にephrin-A2を発現させ,EphA3の細胞外領域とFcの融合蛋白質を培地中に添加し,マトリクスメタロプロテアーゼを活性化させた。切断されたephrin-A2の量を本分子存在下と非存在下で比較したところ、両者に優位な差は見られなかった。この結果から、本分子による視神経軸索の枝分かれの位置の調節は、ephrinの切断の制御によるものではないと考えられた。
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